第558回
バイオの大工場も建設中です
北京市には故宮をはじめ、万里の長城や頤和園など
観光の名所がたくさんありますから、
1週間やそこいらいても退屈することはありません。
ガイド・ブック片手に歩きまわるのも
なかなかいいものです。
でも北京は歴史が古いだけの街ではありません。
人口14億のそのまた精鋭が集まっているところですから、
学問とか技術でも見るべきものがあります。
前にも、北京大学と清華大学のすぐ近くに、
中村という
中国のシリコンバレーができた話をしましたが、
バスの中からですが、ここを視察団に参加した皆さんに
一わたり見てもらいました。
アメリカをはじめ、
世界中のITメーカーが中国人の技術者たちを集めるべく
研究所をつくっているのです。
日本や台湾に比べると、後発ですが、
何しろ人間の数が多いのですから、
すぐに追いついてやがて追い越して行くことは
目に見えています。
このIT村の中に北京大学のバイオの成果を企業化する
北大未名生物工程集団の北大生物城という工場が
建設中であることを最近、知りました。
北京大学副校長である
バイオの世界的な権威陳章良博士の下で、
実際に企業化をすすめている潘愛華博士が
私を案内してくれたのです。
未名とは北京大学の中にある湖の名前ですから、
さしずめ三四郎の池というところですかね。
北京大学は40万元の資本を出しただけで、
国の銀行が10億元融資したそうですから、
国をあげての先端産業であることがわかります。
私はバイオについて詳しい説明を受けましたが、
まさかいちいちご案内をお願いするわけにも
行きませんので、
皆さんにはちょっと外から見てもらいました。
日本より遅くスタートした国で
いま何が起ろうとしているかを
理解してもらうだけでもいいのです。
テレビとか自動車の生産だけでなく、
コンピュータやバイオの分野でも
新しい時代がはじまろうとしているのです。
日本人が外国に出稼ぎに行く時代も
もうすぐそこまで来ているのです。
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