第556回
失業率10%をこえる時がきます

失業率が5%を越えたニュースが
一せいに新聞やテレビを賑わすようになりました。
これはこれから日本で起ろうとしていることの
はじまりを示唆するものです。

もう少し先のことになるでしょうが、
私は日本で失業率が10%を越える日が
来ると思っています。
工業的な豊作貧乏によって商品が売れなくなり、
デフレが本格化すると、
大半の工業製品を日本国内でつくっていたのでは
付加価値がなくなってしまうので、
メーカーが国内生産を断念せざるを得なくなります。
とりわけ地方都市の生産工場を
閉鎖しなければならなくなりますので、
タダでさえ仕事の少ない地方から
失業がふえはじめるのです。

それを救済するために、失業保険の支出が急増したり、
職業再教育が社会的な関心を呼ぶようになるでしょうが、
いままで工場の現場で働いてきた人が
翌日からコンピュータのソフトをつくれるわけも
ありませんから、
失業と人手不足が併行して起ると考えた方がいいでしょう。
そうなると、失業した人は
どうやってオマンマにあずかるのでしょうか。

私は日本のような所得水準の高い国から
所得水準の低い国々へ
出稼ぎに行く人がふえると見ています。
いままではフィリピンやタイの人が
香港や日本に出稼ぎに来るのが常識でしたが、
所得の高い国から低い国に行く場合は、
資本と技術を携えて行くか、
少なくとも知恵と知識を持って乗り込んで行くのですから、
生産性の高い仕事に就くことになります。
またそれだけの能力を持ち合わせていなければ、
そもそも発展途上国で生きて行くことはできません。

ではそういう腕はどこで磨くかというと、
出稼ぎに先に行ってから磨くことになります。
でも現地の人に比べて見劣りがしたら
どうしたらいいでしょうか、ときかれます。
その時は潔く飢死するか、
日本大使館に送還してもらうことですね。
そのくらいの覚悟がなければ、
外国には行かないことです。


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2001年9月17日(月)

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