第538回
成人教育の空間は大きいんです
たとえば日本には簿記を教える学校もあれば、
税理士の受験をするための講座もあります。
不動産鑑定士の養成をするゼミもあれば
栄養士を養成する学校もあります。
いずれも国家試験があって、
その資格をとらないと営業のできない業種もあれば、
資格があればサラリーがふえるライセンスもあります。
そういう資格をめざす人々を相手に成り立っている
教育産業がたくさんあります。
また資格とは関係がないけれども、
技術や知識を身につければ、教養が身につき、
生活に潤いがでる成人講座もあります。
陶器の焼き方から麻雀や習字まで教えて
何とか採算のとれている文化センターのような
成人教育もあります。
語学などは実際にも役に立つので、
それ自体が一つの学校として成り立っていますが、
日本語と英語では社会的な需要に大きなひらきがあります。
中国ではもし日本語を習いたい人が1人いるとすれば、
英語を習いたい人は恐らく20人はいるでしょう。
当然のことながら、
英語の学校のスケールは
日本語の学校の20倍ということが起こります。
しかし、1つの業種を
1軒の学校が独占しているわけではありませんから、
評判がよくて学生がよく集まれば、
経営としては成り立つのです。
日本にはホテルの学校もあれば、
バーテンダーやソムリエの学校もあります。
中国は産業界がそこまで成熟していないせいもありますが、
銀行業務やホテルのサービスが
どうなっているのかわからない
銀行マンやホテルマンが多いのです。
いや、そこまで行かなくとも、
会計や税務についてよく知らない経理担当者が
たくさんいます。
そういう人たちに専門知識の教育をすることは
さしあたりの急務であることは間違いありません。
そこまでは私にもわかります。
でもそういう教育はどうすればいいかは、
エキスパートにやってもらうよりほかありません。
共同事業としてやってもよし、
私が水先案内をしてさしあげてもかまいません。
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