第475回
蘇州夜曲の町にもITの流れ

視察旅行の最後の日は、蘇州に行きました。
昔は蘇州の名園や故跡を見るために、
わざわざ1泊をしましたが、いまは高速道路もできて、
上海から一時間あまりで行けるようになりましたので、
上海のホテルに泊まって日帰りができます。

上海から南京に行く途中に
一大工業地帯が形成されつつありますが、
なかでも崑山市と蘇州市の開発区には台湾の上場企業が
次から次へと工場の大移動をしています。
その中の1つである
耀寧PCB印刷電路公司の最新工場を見学に行きました。
いま中国に建設されている工場は
セメントやガラスや家電製品の工場だけでなく、
時代の最先端を行くIT関係のものもたくさんあります。
なかでもシリコン・アイランドと呼ばれる
台湾の半導体部品の工場は
次から次へとマスプロの生産工場を大陸に移しており、
ここの工場のようなスケールのものだけで
100社以上にも及んでいます。

コンピュータ関係のパーツには
人手を要する工程がたくさんあり、
これを完全自動化すると、
いま中国でやっている設備費の
更に10倍の投資額が必要だと説明を受けました。
セミ自動化と人件費の安いことが
台湾企業をひきつける大きな魅力になっているのです。

一緒に行った人たちはとてもショックを受けていました。
と同時に、一体、日本はどうなるのでしょうね、
とだんだん心配にもなってきたようです。
でも超モダンなレベルの工業団地をあとにして、
寒山寺や虎丘や刺繍研究所に入ると、ホッとしたようです。
日本人の着るキモノは呉服と言いますが、
そのオリジンにあたる呉の国がここです。
呉越同舟とか寒山拾得の故事なら、
大抵の日本人が知っています。
弘法大師をはじめ、大抵の留学僧はここを通って
唐の都長安に向っています。
そういう歴史のある町も
いまや工業化の洗礼を受けています。
あと10年もしたら、
中国も全く違った国になっているに違いありません。
そのスピードを肌で感ずるようなあわただしい旅行でした。


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2001年6月28日(木)

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