第427回
消費者が買いに来てくれる商売を探せ

事業に成功するためには色んな資質が要求されます。
昔は「朝起きは三文の得」と言われました。
人より豊かになるためには
人よりよけい働けという意味ですが、
みんな同じ畑仕事をやっていて
あまり創意工夫が要求されなかった時代には、
それでも通用したのでしょう。
でも今は「もっと頭を使え」ということになります。

事業に成功した人で、
経営者として要求される資質を全部備えている人は
少ないと思います。
あったとしても事業に成功して
人の上に立つようになってから経験に教えられて
自然に覚えたものでしょう。
人それぞれに長所と欠点があって、
成功した人は欠点をなおした人よりも
長所をうまく生かした人が多い筈です。

ではどうして成功したかというと、
目のつけ所がいいからです。
いつの時代もそうですが、世の中は競争の世の中です。
ふつうのことでは競争に勝てません。
デフレのいまだけが難しい時代ではないのです。
しかし、いつの時代でもありあまっている物、
間に合っている物、珍しくもどうもない物と、
ちょうど逆に、人々が欲しがっている物、
必要としている物、
新奇でなかなか手に入らない物があります。

前者はこちらが売りに行っても
なかなか買ってもらえません。
無理して売ろうと思えば値を叩かれて
元値を割ることも起ります。
後者は消費者が欲しがる物ですから、
向こうから買いに来てくれます。
よくダイレクト・メールや折り込み広告をしても
反応は千に3つだと言われますが、
それは人の欲しがらない物を
買ってもらおうとするからです。
セールスについて
あれこれ難しい講釈をする人がありますが、
どんな 物が売れるかを探し出してきて
それを売れば誰でも腕のいいセールスマンなのです。
つまりこちらから売り込みに行かなくとも、
向こうから買いに来てくれるような商売を
見つけることのできる人が商売上手なんです。


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2001年5月11日(金)

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