第413回
時間の大切な人はマンションに住め

自分の住む家は自分の生活をするところですから、
いくらに貸せるかといった財産価値だけで
はかることはできません。
お金持ちになれば
人より立派な家に住みたいと思うのは人情ですから、
収入にならなくとも、また逆にお金がかかっても、
それはそれでいいじゃないかと思う人も多いでしょう。
人が一生懸命働くのもいい生活をするためですから、
家が財産でなくとも、
また自動車と同じような消耗品であっても、
かまわないのです。

しかし、お金がかかる一方の家であっても、
どんな考え方で家をつくったらいいかという
ルールはあるでしょう。
人それぞれに頭の中に描いている
マイホームがあるでしょうから、
それぞれの理想に従って家づくりをすればいいのですが、
仕事を持っている働き盛りの人は
仕事と切り離して
家のことだけ考えるわけには行かないでしょう。
自分の仕事が自分の生活の中でどんな位置にあるかによって
どんなロケーションに自分の家を選ぶかが違ってきます。

たとえば仕事を中心に物を考える人は
仕事に便利なロケーションを選びます。
戦後の東京は郊外へ郊外へと住宅が拡がりましたから
職場まで通うのに片道1時間から1時間半かかるのも
珍しくありません。
仕事場に往復するだけに1日3時間をとられたら、
それだけでぐったりしてしまいます。
私は時間もお金だと考えますので、
仕事場が家とすぐ近い
職住近接を前提とした住宅を選びます。
私のオフィスと私の住居は
車で10分以内のところにあります。
お客様がお見えですよと知らせを受けて
あわてて家をとび出しても、
10分でお客の顔を見ることできます。

私はたまたまそれだけの余裕ができてからの住居ですから
庭つきの一戸建ですが、
若い時に職住近接を選べば、
さしづめマンション住まいでしょう。
私にとってそれ以外の家の選び方は考えられません。
時間が私にとって何よりも大切なものだからです。


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2001年4月27日(金)

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