第394回
短く感ずる人生が良い人生

時間をテーマとして取り上げた書物は
アメリカにたくさんあります。
時間をどう扱うかはとても大切なことですから、
それは当然のことでしょう。

私も本屋の戸棚でそういう本を見つけると
すぐ買って帰って
家でパラパラめくって見たことがあります。
アメリカ人は合理的、かつ実利的な考え方をしますから、
時間を上手に使うことをすすめます。
書類の整理の仕方から人の使い方や会議の仕方まで
如何に時間を節約するか、
微に入り、細に入り、
さまざまのアイデアやテクニックが展望されています。
それはそれで役に立つものですが、
どの本も物理的な時間を如何にして節約し、
且つ有効に使うかに話を搾っています。

それはそれで間違っているわけではありませんが、
私に言わせると
時間には物理的な時間と心理的な時間があります。
物理的な時間とは1時間は
どのくらいの長さかといった客観的なものです。
それに対して心理的な時間とは、
同じ時間でも人によって、
またその時々の精神状態によって長く感じたり
短く感じたりする心を物差しにした時間です。
どちらも時間であることに変わりはありませんが、
どうしたわけか、アメリカ人は心理的な時間を
研究対象としてとり上げようとはしないのですね。

「敗戦の日は日本人にとって一番長かった1日」
と言われていますが、
これこそ心理的な時間を代表する時間です。
死刑囚の最後の1時間は
とてもとても長い時間だそうですが、
もしすごしにくい時間は長く感ずる時間だとすれば、
あッという間にすぎてしまった時間は
楽しかった時間だということになります。
そういう時間の使い方について書いたのが
私の「野心家の時間割」ですが、
人生、やりたいことが山ほどあれば、
いくら時間があっても足りません。
従って、短く感ずる人生が良い人生であり、
そういう具合に時間割を組むのが
うまい人生のすごし方だと私は思っています。  


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2001年4月8日(日)

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