第381回
先ず額の汗を拭いてから

ユニクロの洪水のような輸入量の増加に対して、
セーフ・ガードを発令すべきだという動きがあると
新聞が報じたかと思ったら、
今度は中国製のタオルに対して、
国内のタオル・メーカーが
セーフ・ガードの陳情をしたことが
トップ記事になりました。

私はずっと前から
タオルを日本のデパートで買うのはやめています。
毎月のように大陸に行き、
北京や上海のデパートの生活用品売場をのぞくと、
タオルの値段は日本の3分の1くらいなんですね。
しっかり打ち込んだ厚手のタオルで、
模様入りはデザインもしゃれています。
わけ知りの連中にきいて見ると、
日本で一流のタオル・メーカーが大陸に進出して
工場生産をしているんですね。
日本のタオル・メーカーの一流は
どこかというのは中国に行って覚えました。

ですから、日本のタオル・メーカーが
セーフ・ガードを申請した記事を見た時、
自分らで自分らの製品の輸入を制限するのだろうかと
一瞬とまどいました。
はたしてしばらくすると、
同じ同業組合に属する大手7社が
セーフ・ガードはやめてほしいと
陳情している記事が目につきました。

いまはグローバルに物事を考える時代で、
安く消費者に製品を提供できるところに意義があります。
その必要があって日本のタオル・メーカーが
中国に進出したのです。
もし外国資本にお金を儲けられるのは
ごめんだと言うのなら、
そもそも日本のメーカーの進出を
中国側は断るべきでしょうね。
日本のメーカーが将来の産業構造を考慮に入れて
多国籍展開をしたのですから、
自分たちで自分たちの頬をぶん殴るようなやり方は
やめた方がいいと思います。

ぐうたらなアメリカのメーカーに訴えられて
悔しい思いをした日本人が
どうして昔のことをすぐ忘れるのでしょうね。
ましてや現地に行って安くつくる努力をしているのは
同じ日本人だと言うのに。


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2001年3月26日(月)

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