第245回
日本人の発明した「旗を立てて世界旅行」

日本人はグループで行動することが得意でしたから、
外国旅行が自由化されると、
すぐ団体旅行がはじまりました。

1年間に海外旅行に出かける人が
1600万人をこえるようになっても、
ツアーで外国に行く人が大半を占めているように、
日本人は団体で旅行するのが大好きです。
団体旅行の方が旅費が
うんと格安ですむということもありますが、
日本人は外国語が苦手な上に、
勉強する気もないというのが本音でしょう。

何でも添乗員任せで、
寝ていても目的地まで連れて行ってくれ、
3度のメシもどこで何を食べるか心配しないですめば、
こんな楽な旅行はありません。
いつの間にか「旗を立てて世界旅行」が
日本人の新しい習慣になり、
一頃は農協の旗が一番多かったのが、
いまではそれが世界旅行の1つのスタイルになりました。

日本人が必要に迫られて編み出した
「旗を立てて世界旅行」が新時代の旅行風俗になり、
韓国人や台湾人だけでなく、
アメリカ人も団体で行動する時は旗を立てて動きます。
これぞ日本人が発明した旅行文化だと
私は推奨したことがあります。

私は日本人のツアーの団長をつとめたこともありますが、
台湾人や香港人のツアーの団長をつとめたこともあります。
団体行動をとると、その国の国民の習性が
本当によくわかります。
日本人はガイドのアドバイスなんかに耳を傾けず、
危険なところにも平気で出かけますが、
どんなに脱線しても、朝、何時に集合といった時間は
必ず守ります。
時間になってもメンバーが現われず、
添乗員があわてふためいて
部屋を1室1室探しまわるようなことは
ほとんどありません。
ところが、中国の人は
ハイハイ、わかりましたと言っておいて
その時間に集まらない人がたくさんいます。
耳できいていても素通りしてしまうと見えます。

ですから「旗を立てて世界旅行」は
本当は時間を守らない国の人に必要なんです。
日本人が発明したもので、
よその国の人に役立つものがたくさんありますね。


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