第228回
外国で失敗した人ほど声が大きい

日本の企業は、好むと好まざるに拘わらず
外国に進出するようになります。
わけてもメーカーは国内と国外では
コストに違いがありすぎるので、
工場を海外に移転しなければやって行けなくなります。
それに伴って外国に住む日本人の数もふえます。
なかでも一番ふえるのは、中国に移動する工場と
それらの工場で働く日本人でしょう。

既に中国に工場や駐在員事務所を持っている日本企業には
うまく行かないために
撤退したり撤退したくても撤退できずに
困り果てているところがたくさんあります。
もちろん、ちゃんと立派な業績をあげて
黒字経営をしている企業もあります。
うまく行っている企業は
「うちはこんなに利益をあげていますよ」
と宣伝しませんから、あまり人目につきませんが、
損をしている連中は
「こんなひどい目にあった」
「こんな騙され方をした」
と声を限りにがなり立てますから、
中国に進出した企業は
あら方、失敗しているかのように見えます。

ではどうしてそういう違いが出てくるかというと、
成功している企業は中国人や現地の事情をよく研究して
きちんとした対策をとっているのに対して、
失敗した企業は偶然取り組んだ相手の言うことだけを
一方的に信じ込んで、自分たちで
現地の事情を研究しようとしないからです。
私の知っている人の中には中国旅行に行った折りに
案内をしてくれたガイドさんを信じこんで、
現地法人をつくるために資本金にするお金を
3千万円渡してしまった人もあります。

どこの国の人だって
気前よくお金を出してくれる人があったら、
何でもオーケーだと言うにきまっています。
でもいざ仕事がはじまってみると、
あれも駄目、これも駄目ということになって
仕事が進まなくなってしまうのです。
挙句の果てに、
「日本じゃこんなバカなことはない」
と相手をなじったりするのですが、
外国は日本と同じじゃないことを
忘れてしまっているのですね。
日本のリクツが
どうしてそのまま外国に通用するのでしょうかね。


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