| 第226回世界中のテレビが中国製になる
  この調子で中国の工業化がすすむと、いまに世界中の生産設備と特殊パーツの大半は
 日本が供給するようになり、
 世界中の完成品は繊維雑貨から家電製品に至るまで、
 中国が供給するようになることが考えられます。
 中国がテレビや電気冷蔵庫をつくるようになったのは
 ついこの間のことですが、
 いま中国で一番たくさんテレビを生産しているのが
 年産800万台の四川長虹、
 2位が600万台の康佳(KONKA)です。
 日本に比べて平均賃金が20分の1から30分の1で、
 しかも800万台もの大量生産をすれば、
 世界中で中国のメーカーに太刀討ちできるメーカーは
 1社もないでしょう。
 性能でソニーやパナソニックが
 あるていどのシェアを占められるとしても、
 四川長虹のパーツは東芝が供給しているのですから、
 そう見劣りのするものではありません。
 また深
  に工場のある康佳は 昨今のラスベガスのテレビ展示会で
 最優秀賞をもらっているのですから、
 アメリカ市場のシェアを
 1年に3%から5%ふやしただけで、
 かなりの数字になります。
 
 日本のメーカーも家電製品のシェアを
 維持しようと思ったら、
 工場を中国に移すよりほかなくなります。
 既に松下も三菱電も中国に工場を持っていますが、
 電気冷蔵庫、洗濯機、クーラーなどで、
 中国のメーカーが日本のメーカーに比べて
 見劣りすることはありません。
 したがって中国製が日本市場を席捲するのも
 そんなに遠い将来のことではありませんが、
 東南アジアからインド、中近東、更にはアフリカが
 その独占的な市場になることは
 ほとんど間違いないでしょう。
 日本に続いて、中国がアメリカやヨーロッパの同業者から
 目の敵にされる時代はもうそこまで来ているのです。
 
 恐らく日本は生産財をパーツの輸出だけで
 年に1千億ドルていどの外貨を稼ぐことは可能でしょう。
 それと同じように中国も完成品を生産して
 輸出するだけで年間に1千億ドル稼ぐ時代が来ると
 考えられます。
 これらのことは私たちの投資方針に
 とても大きな影響をあたえるのです。
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