第192回
お金は儲けるより使う方が難しい

お金儲けも難しいけれど、お金を使うのはもっと難しい。
そのことについては前にも述べました。
私がそう言うと、
私のところへ出入りする若い人たちは
「それなら僕が代わりに使ってさしあげましょうか」
と申し出てくれます。
でもそういう人は
お金を儲けたことのない人にきまっています。

お金を使うのが難しいのは
お金を儲けることが難しいからです。
お金儲けのうまい人でも
お金儲けの難しいことは身にしみています。
だから苦労して手に入れたお金を使うことには
抵抗を感じます。
「縁あってお金とかかわりがあるようになったのですから、
 思い切ってお金を使ってみて下さい。
 金持ちがお金を使わないと
 天下の廻り物が廻らなくなって、皆が苦しむのですから」
と私に言われても、お金を使う前から
もう身構えてしまいます。
一番抵抗をするのはお金を持っている人なんですね。

その点、一番お気楽なのは
自分でお金儲けをしたことのない財産の後継者です。
お金の苦労をしていないので、
自動制御装置が働かないんですね。
お金は稼ぐ人と使う人が分業になっていて、
二代か三代で世間からいただいたお金は
世間にお返しするようにできています。
それはそれで公平にできていると言ってよいでしょうね。

でもどうせなら親子二代とか三代がかりで
ワンサイクルを一巡するよりも、
一代で稼ぐところから消費するところまで
一手に仕上げた方が理にかなっています。
そのためにはお金儲けの修行をするだけでなく、
お金を使う修行も重ねなければなりません。
私の周辺にはお金儲けのうまい人はたくさんおりますが、
お金儲けがうまい上にお金の使い方もうまいというのは
そんなにたくさんはおりません。
そこで賛成してくれそうな友人を口説いて
「ヨーロッパ一等旅行」という超豪華版の旅行を
1年に1回やるようになってから、
これで20何年になります。
これも修行だと思ってやっているのです。


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