第116回
いつの時代も人材が大切です

私の中国旅行は定期便みたいになってしまいました。
東京→台北→香港→上海→北京→東京というコースですが
反対廻りになることもあります。
2ヶ月か、3ヶ月に一ぺん
四川省の成都がこれに加わりますが、
その時は上海→成都→北京、もしくは、
香港→成都→上海→北京と、
あいだに成都を挟みます。

地図で見ると、成都はずいぶん奥地にあるので、
山奥の田舎町と思うかも知れませんが
人口1千万の大都会です。
四川省は人口1億1千万でしたが、
重慶市が特別市に昇格してから、
8千4百万に減りました。
それでも中国で一番人口の多い省です。
成都から上海まで揚子江でつながっているので、
同じ長江文化圏であり、
ガラス張りの超高層ビルも多いし、
若い女性たちのファッショナブルな服装も、
ちょうど東京と札幌の関係と思ったら
わかりやすいでしょう。
成都の方が少なくとも北京より
アカ抜けしていると言ったらびっくりするでしょうが、
町を歩いたらすぐにわかることです。

歴史に詳しい人なら、成都が三国志に出てくる
蜀の国の都であったことがわかります。
劉備が軍師の諸葛亮孔明に
「ここは、天然資源に恵まれて人口が多い上に、
東から攻め込まれても道が一本だけでそこを守れば、
曹操、孫権と天下を三分して国を維持して行けます」
とすすめられ、入植したところです。
ただ、後を継いだ劉禅がバカ息子であったために、
劉備が死に、孔明が陣中で没すると支えきれなくなって
亡国の憂目にあっていますが、
中国人も基本的には
判官びいきのところがあるのでしょう。

成都に行くと、武候祠という
諸葛亮孔明を祭っている廟があります。
劉備が正殿に祭られ、孔明は後殿に祭られていますが、
その名前でもわかるように、
人々が尊敬しているのは智謀があって、
しかも忠誠心を貫いた孔明です。
その孔明を見出して三顧の礼で劉備が迎えたのが
孔明28才の時ですから、昔も今も
人材の有無が天下取りの
分かれ目になることがわかりますね。


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