第111回
不労所得をふやして下さい

みんながお金を使わなくなると、
景気が悪くなります。
そうなると困るので、
政府が代わりに公共予算投資を組んで、
お金を使おうとします。
それが景気の恢復を早めた時代もありましたが、
成熟社会になると、
その手が効かなくなってしまいました。

どうしてかというと、
物が売れなくなったから不景気になったのに、
政府が代わりにお金を使っても
物が売れるようにならないからです。
政府がお金を使うのは、
いずれも狐や狸しか通らない
人里離れたところに高速道路をつくったり、
役所や公民館の建て直しをしたりする仕事で、
鉄材やセメントのメーカーや土建屋さんは
一息つくかも知れないが、
デパートやスーパーの売り上げが
ふえることにはなりません。
消費の落ち込みにブレーキがかかるような対策でないと、
景気振興策にはならないのです。

みんなにお金を使わせようと思えば、
使えるお金があるようにしてあげなければなりません。
それも無駄遣いのできる
不労所得をふやしてあげることです。
たとえばサラリーは生活費にあてるものですから、
右から左へ消えてなくなりますが、
少々ゼイタクな買い物をしようと思えば、
株の儲けか、金利収入ということになります。

うちの家内を見ているとよくわかります。
株で儲かると、
子供たちにも気前よく物を買ってやりますし、
友達にもやたらにおごろうとします。
うちの子供たちで
株の値上がりを歓迎しない人は一人もいません。
それなのに政府は金利をタダみたいにしてしまうし、
株価を上げることにもずっと不熱心でした。
政治家もお役人さんも
世の中の仕組みをよくご存知ないんですね。

最近少々株価が戻ったのは、
外国の資金が日本の株式市場に入ってきたからです。
政府の公共投資によって
景気がよくなったのではありません。
でもこれから株が上がって
無駄遣いのできるお金がふえたら
景気が少しずつよくなります。
皆さんも負けずにお金を使うと、
そのスピードはもっと早まります。





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