第33回
サラリーマンでは節税ができません
「ゼイキン報告」を書いていた時に、
新しく発見したことがいくつかあります。
一つは税金の話はサラリーマンにとって
興味のないことだということでした。
税金の勉強をする以上、一番役に立つことは
どうやったら税金が節約できるかということです。
「脱税に要する費用はほぼ納税額に等しい」
というパーキンソンの法則があるくらいですから、
脱税は結構、高くつくものです。
一歩間違えると、重加算税をとられたり、
告発されたりして、名声に傷がつきます。
だから合法的な節税の工夫をすることになりますが、
そういう余地のあるのは
事業家をやっている人たちなんですね。
サラリーマンが自家用車を持っていても
車の原価償却もできないし、ガソリン代や修理代を
必要経費として計上できません。
また友達をバーやレストランに誘って行っても
交際費として所得の中から控除することはできません。
ところが、自営業者だと、
会社をつくって車を社用にし、
また交際費を社用として計上すれば、
どちらも会社の経費としておちます。
ほかにも色々と手加減のできるものがありますから、
節税の面から見ると、
税金の話はどうしても自営業者とか、
会社を中心としたものになってしまいます。
新聞社は、読者は事業家だけではない、
サラリーマンも大切な読者ですから、
サラリーマンの節税にもふれて下さいと私に注文しますが、
いくら頭を働かせても
サラリーマンが節税できる方法はありません。
サラリーマンとしての収入は全部、捕捉されて、
百%課税の対象になるからです。
とうとう私もお手上げになって、
サラリーマンが節税をしたかったら
サラリーマンをやめるよりほかないと書いてしまいました。
でなければ、アルバイトをしたり、
資産所得をふやしたりして、
収入源を複数化して、その分野で
事業家並みの節税をさせてもらうよりほかありません。
サラリーマンをやっていては
いつまでも金持ちになれないというのが私の結論でした。
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