第24回
株は売ったあとが必ず高い

株は買い時よりも
売り時が難しいといわれていますが、
それは株をやる人が
いつもいつ売ろうかと気構えているからです。
買う前からもう売るときのことを
考えているのですから、
身売りをされる株にして見れば、
たまったものじゃありませんね。

何しろ自分の買値より高く売れば
お金が儲かるのですから、投資家は皆必死です。
1円でも高く売りたいと待ち構えていますし、
欲の皮をつっ張らせて売り時を待っています。    
はじめは3割上がったら売ろうと思っていた人でも、
3割が近づくと、目標の売値を訂正して
倍になったらと 趣意がえします。
すると、倍近くまで上がった株が
途中で向きをかえて
値下がりに転じ、儲かるどころか、
自分の買値を割るようなことが起ります。

喜びはアイスクリームのように
柔らかく、淡いからすぐ消えてなくなりますが、
悲しみは硬くて強烈ですから、
噛み砕くだけでも時間がかかります。
誰でも損をするのは嫌ですから
株価が自分の買値を割ると
逆に胆が据わってきて株を売らなくなります。
ダウが下がると、売買が細ってしまうのは
大衆投資家が株を売らなくなるからです。
自分の買値を割った株主は大半が
安定株主と見てもよいでしょうね。

投資家が安定株主を強いられる時間は
結構長くかかります。
損したら売らないのですから、何年でも辛抱します。
問題は株価が自分の買値に戻った時か、
前に目標としていた株価まで戻ってきた時です。
長い間待たされたし、
前に欲張って失敗した経験がありますから、
待ちに待った春がきて、雪がとけはじめると、
肩に重くのしかかっていた荷物を
あわてておろそうとするのです。
そういう気持になったとしても
バカだなと非難することはできませんよね。

でも株は売れる状態に戻ってやれやれ売りをすると、
必らずあとが高くなるものです。
地団駄ふんでももう間に合いません。
株は売り時が難しいというのは
投資家なら何度でも経験していることです。





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