第12回
職住接近がはかれれば、お金も貯まりやすい
サラリーマンにとって、通勤時間も高速された時間です。
これが、時間の上手な利用法を考えるうえで、
たいへん重要な問題のはずなんですが、
意外なほど、みなさん無頓着なんですね。
東京の会社に勤めるサラリーマンで、
二十三区内に住んでいる人は、二割くらいではないでしょうか。
五、六百人の会社で、環状線内に住んでいるのは
三、四人しかいないという話を聞いたことがあります。
あとは東京の郊外というより、
他の県から通勤しているわけです。
なぜ、遠くに住むようになったか。
1つには、人間にはむかしから、
土を踏みたいという願望があります。
とりわけ日本人は、その傾向が強いので、
家といえば、まず庭つきの二戸建てを考えてしまう。
狭いながらも楽しいわが家で、花壇をつくったり、
木を植えられるような家に住みたくなるわけです。
もちろん、都心に近ければ、地価も高いし、
ちょっと手が出ないからしかたなくという場合も多いでしょう。
しかし、通勤する人は、往復三時問も四時間もとられる。
指定席みたいにちゃんと座れれば、本も読めるし、
拘束された時間の利用法もあるんですが、
満員電車ではとてもできません。
ただ、押したり押されたりでしょう。
こうした遠距離通勤は、肉体的疲労もさることながら、
時間の浪費もたいへんなものです。
ムダな時間が多ければ、それだけお金をムダにするのと同じです。
私は、もともと職住接近がいいという考え方なんです。
通勤に二時間かかる郊外より、たとえ、一部屋少なくとも、
一時間以内で通えるところに住んだほうがよい。
それよりは、二十分で行けるところのほうがもっとよい。 |