お金の貯まる人はここが違う

お金との"付き合い方"指南

第5回
給料天引きにしてこそ貯金もできる

人間にはいろいろな欲望があります、
お金さえあれば、そうした欲望は、
たいてい満たすことができます。
うまいものが食いたい、流行の服を着たい、
デートをするとき格好のいいところを見せたい、
みんな、お金を使うことばかりです。
それを全部満足させようとすれば、
月給日の十日もまえから一文なしになって、
とても貯金どころではなくなります。

よほど意志の強い人でないと、
そういう欲望を断ち切ることはできませんから、
ついつい出費がかさんでしまう。
これでは、お金が貯まるわけがない。
サラリーマンの場合、確実に貯金を実行するためには、
いちばんまちがいのないのが天引き貯金です。
これなら、優先順位第一位です。
欲望に対する弱さを克服するには、最善の方法だと思います。

銀行が、毎月二万円なら二万円、
給料日にいやでも持っていってしまう。
不思議なもので、先に引かれると
半ばあきらめた気持になって、
残ったお金で何とかやっていけるものなんです。
自分の意志の弱さを、第三者に縛ってもらう方法です。

また、ローンを組んで家を買うのも、
一種の天引きといえるでしょう。
物を買うには二つの方法があって、
一つは、お金を貯めてから買う。
もうーつは、先に買ってしまって、あとで借金を払っていく。

インフレもあることですし、家を買う場合、
お金が貯まってからでは、
間に合いません。
頭金に相当する貯金があって、すこしくらい足りなくても、
親戚じゅうから無利息で借りられるお金を集めることができるなら、
びくびくしないで思いきって、
家を手に入れておくに限ります。

あとは、ゆっくりゆっくり返していけばいい。
インフレになれば返済は楽になりますし、
インフレにならなくても、土地の価格は
一年間に五パーセントなり七パーセントなり上がっていく。
かりに土地が値上がりしなくても、損をすることにはなりません。

どのみち、毎月、家賃は払わなくてはならないのですから、
家賃よりすこしは高いにしても、
ローンを返していけば、何十年後かには自分のものになる。
これも財産形成の一方法であり、
貯金の変形と考えていいわけです。

ただし、同じローンで買うといっても、
自動車やピアノは、消耗品ですから、じつは大違いです。
消費財は、いくら買っても資産になりません。
欲望を満たすための資金をほかから用立てているだけです。
その行き着く最悪の場所が、消費者金融ということになります。





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2015年8月19日(水)

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