お金の貯まる人はここが違う

お金との"付き合い方"指南




第3回
お金を貯める最大の秘訣は、使わないことである

私は、いつのまにかお金儲けの大先生にされてしまったようです。
テレビや講演カどに引っぱり出されると、
かならず「お金の貯まる秘訣は何ですか」と、
きわめて加歩的な質問を受ける。
そのとき、私はきまってこう答えることにしています。
「お金がはいってきても、
使わないようにすればよろしいんじゃないですか」
すると、みなさんよく笑うんです。
笑った人の気持の中には、一つには、
当たり前じゃないかということ、
もうーつには、それができないから困っているんじゃないかということ、
その二つがあって、なんとなく笑いを誘われるのではないかと思うのです。

むかしから日本では、
爪に火をともしてお金を貯めるという表現をします。
食うもの食わず、着るものも着ないで、
ロウソク代わりに爪に火をともす。
たいへんケチな話です。
そのくらいケチケチしないとお金は貯まらないんだと、
むかしの人は考えていたんです。
ところが、いまみたいに世の中が豊かになってくると、
ちょっとくらいお金を使ったからって、
べつに生活に困るわけじゃない。
むしろ、お金は使うためにある、
お金は貯めるだけが能じゃないと考える人がふえてくる。
そういう人たちは、爪に火をともすなんて
どうも性に合わないと反発するんじゃないかと思うんです。
そういう世の中になっても、
やはりお金を貯めるためにはお金を使わないことが
最大の秘訣だと言いたいのですが、
いまの時代の人たちは、ただお金を使うなと言われても
釈然としないでしょう。
ですから、どういう形でお金を使わないようにするか、
逆に言えば、お金をうまく使うにはどうすればいいかを
勉強することから始めるのが順序だと思います。

むかしのような極端なケチケチ生活を送るだけでは、
お金に逃げられる心配もある。
社会生活をしていくうえで、人間関係を壊さない程度に、
どうやってお金を使わない工夫をするか、
それがたいせつなのです。

これは、いまの日本の国家財政を考えてみるとよくわかります。
とりあえず収入はふえないわけですから、
支出を締めるしかない。
ところが、経営者と違って、
政治家というのは財布のヒモを締めることを知らない。
国家財政はゆるみっ放し。
これを建て直したかったら、坪内寿夫さん、大山梅雄さん、
早川種三さんといった再建屋さんに、
大蔵大臣、通産大臣、運輸大臣になってもらって、
中曽根総理以下みな禁治産にすれば、
三年間くらいで立ち直るんじゃないですか。
はいってくるものが足りないなら、
出口をできるだけ小さくして出るのを防ぐことが、
黒字にするための定石なんです。





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2015年8月14日(金)

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