第269回
バブルの塔か・世界の不動産
世界一の投資銀行のメリル・リンチが
「アジアのバブル」を警告しているそうです。
「マレーシア、タイ、台湾がバブルの傾向から、
はっきりとバブルになりました。
金利を少し上げてもインフレが激しいので、
実質金利は“マイナス何%”になっている”国が多いのです」
そこで借金して投資が行なわれ、
その結果の不動産バブル、という意見です。
米国で不動産屋をしておられる
読者の方からメールをいただきましたが、
米国もバブルっぽいとのお話でした。
また、
「世界の投資会社のお金が、
株から不動産に向かうという変化が起っています」
と言う専門家もいます。
多くのデンマーク人がトルコの別荘を買っているように、
個人が海外の不動産を買うという変化が
世界的に起っているそうです。
これの動きが世界の不動産の新しい価値付けをするのか、
それともバブルとなるのでしょうか。
以前書いたように、8年で2.5倍のイギリスほどではありませんが、
デンマークでも不動産が上がっています。
経済の好調さというより、金利が下がったのと、
外国からの投資が始まったからのようです。
7月14日のデンマークの新聞に、
不動産投資の実際の紹介がありましたが、
なんだか奨励しているような記事でした。
「まず、コペンハーゲンで100平米5千万円のマンションを買う。
すると15万円から17万円くらいで賃貸できるので、
ローンの返済がそれで賄えます。
3年後に売ると6千万円になっているから、
売って1000万円儲かります」
売買の経費や維持費が入っていないところが大雑把で、
まるで売るための宣伝文のようです。
デンマークの銀行は、こういった不動産投資の他に、
株式投資用のお金まで貸しています。
新築マンション売買の4分の1は投機だそうです。
“いいのかなあ・・・”日本人なら多分そう思います。
しかし、市長は登記料が入ってご機嫌で
「勿論、値段があがるのはほんの少し心配ですが、
建て主と投資家がリスクを分けるのだから、
これでよろしいのです」
と、人事にしておいて、のんきなのでした。
厳しい財政の国と市は、登記料のほかに、
法人では売買利益の30%、個人では60%あまりが税金となるので、
ありがたいのです。
建設会社も
「値下がりしたとしても、自分で住むならいずれは上がるのだから」
と煽っています。
どうも危なっかしい話ですが、
8年で3、4倍になった南アフリカなど、
世界的に不動産の値上がり傾向だそうです。
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