第257回
株ブームのパレスチナ
パレスチナに証券取引所があるとは知りませんでした。
株の売り買いをしているパレスチナ人のイメージは新鮮で、
どこか滑稽なのは、こちらが地元の実情を知らないからでしょう。
メディアを通してパレスチナを覗くと、
貧困の中、自爆テロや復讐、勢力争い、
汚職、横領に明け暮れている人々の国を想像します。
ところが、パレスチナで2003年から証券取引所が開かれ、
現在27の会社が上場しているそうです。
欧州最小のマルタよりは取引が少し多いそうで、
上場会社の総資産は2千億円くらいだそうです。
イスラエルと過激派が戦っていますが、
砂漠の民の「目には目を」の掟は、
報復が過剰にならないように諌めたものだそうです。
しかし、そういう掟があること自体、
やりすぎが多い証拠みたいで、
実際はこじれたらなかなか元に戻らないようです。
強硬派が武器と建前を振り回して、
民族を争いの方向にリードしていきます。
日本も同じような時期がありましたが、
時代を超えて、いたるところに見られる始末の悪いパターンです。
それで、戦争中の日本がそう見えたように、
パレスチナ全体が、難民とテロリスト集団のように見えるわけです。
ところが本当は、パレスチナ人の多くは、
やはり、争いの無い普通の生活をしたい人々の方が
ずっと多いわけです。
パレスチナにも普通の日常の生活があり、
普通の近代国家のように証券まで売買されていたのでした。
上場会社は業績好調で、今年は150%の値上がりをしています。
これは、イスラエルとの問題の、
平和解決への期待を織り込んだものと見られています。
2003年からスタートして、当初のインデックス150から始まって、
今ではインデックスが700になったそうです。
意外なところに成長株の「大きな穴場」がありました。
Qさんによると、株は現実の先をいくそうですから、
株が値上がりするなら、
パレスチナの未来は案外明るいのかもしれません。
皆が豊かになって「思想、宗教、争い」、
それ等に熱中する人が減って、平和になって欲しいものです。
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