前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第250回
イギリス人は皆Mr.ビーン

“英国”というと、私達日本人の多くは多分、
まずジェントルマンを思い浮かべます。
イギリスには、フーリガンやパンクその他、
若いアナーキーなグループもいれば、”労働者階級”もいます。
しかし、フランス人のムリエルに聞いても、
とりあえずイギリスは紳士淑女のイメージだそうです。

私の姪のご主人はお医者さんですが、イギリスで研究するために、
一家を連れて2年間ロンドンで暮らしていました。
彼らに話を聞いてみると、
今までのイギリス人のイメージが壊れるような、
あきれた話がたくさんあるのでした。
そこでご主人は、外国から来ているお医者さんだけの席で、
「イギリス人は、皆Mr.ビーンに見えます」と言ってみたそうです。
すると、様々な国から来た満座の医者達の間に笑いが起り、
「そうだ、そうだ」と大うけしたそうです。
Mr.ビーンは日本でも知られているそうですが、
イギリスの喜劇番組の主人公で
「せこく、みみっちく、運の悪い男」という設定ですね。
私が「そんなにたくさんのMr.ビーンがいるのですか?」
と尋ねると
「私の周りでは、半分くらいがそう見えます」
との答えでした。

Mr.ビーンのアトキンソンが、
タリバン髭を付けた写真はこっけいでしたが、
これは不謹慎だと物議をかもしだしたそうです。
その彼が、今、イギリス政府に抗議しているそうです。
イギリスではユダヤ人と、ターバンを巻いたインドのシーク教徒が、
法律で少数民族として保護されてきたそうです。
イギリス政府はその枠を広げて、
数の多い回教徒に対してもこの法律を適用しようとしています。
この法案が可決されると
「宗教的な憎悪の表現の規制をする」ということで、
罰金や、禁固刑が導入されることなるそうです。
Mr.ビーンは
「それでは宗教をテーマにした小話も語れず、
ユーモアが制限されます」
と、抗議しているのです。


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2005年6月30日(木)

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