第243回
国際化はイヤよ?
オランダもフランスに続いて、
EUのより深い繋がりを盛った統合案は否決しました。
新しい条約が電話帳のような厚さになって、読む人も少なく、
何を否決したかも良く分からないままに選挙は終りました。
国際色豊かなオランダは外国人には寛容でしたが、
最近は大きく変わってきているように見えます。
ゴッホの孫が回教を冒涜した映画を作ったというので、
ピストルで撃たれて喉を切られましたが、
回教徒の犯人は確信犯です。
そんなことがある数ヶ月前から、すでに
「オランダ人がオランダから逃げ出す!」という見出しの記事が
デンマークの新聞に載っていました。
国際化の嫌な面に耐えられず、
海外に移民していく人達が増えているということです。
こういう状況で、
より国際化の進むEU案の是非を決める投票が行なわれたのですが、
指導者は、急ぎすぎたようです。
”経済の統合は良いが、政治の統合は嫌だ”
と分析している専門家もいます。
しかし、このオランダの選挙で決定的な役割を果たしたのは、
右翼政党の行なったプロパガンダ攻勢かもしれません。
最近まで有力な右翼がいなかったオランダに、
右翼政党が台頭してきています。
その中のリーダーが、街頭で、
180ユーロのお札風にプリントした紙を配り
「オランダ人一人当たり、これだけEUに取られています。
オランダが1番取られています」とやったのでした。
”経済観念”という
オランダ国民の一番敏感なところに訴えたのでした。
デンマークも今のところでは、このEUの選挙を行なう予定です。
しかし、少しまで賛成者が多かったのですが、
フランス、オランダの否決の後で、反対が多数になりました。
EUの首脳があわてて集まって、作戦の建て直しをします。
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