前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第230回
返事が無いのは心配です

デンマーク人夫妻が起業を夢見てベトナムに引っ越した時は、
持ち物は2つのトランクに、
ノートパソコン、スキャナー、ファックスだけでした。

株式会社ショートカットは、現在は直接生産販売もしています。
会社には2名のベトナム人の従業員もいます。
彼らの直接取引きしている工場では、
350平米の建物に、100人のベトナム人が作業衣を縫っています。
年15万枚の生産量で、
これがショートカット自身が販売する最初のプロダクションです。
すでになんと、30年分のオーダーが入っているそうです。
30年では、どちらの会社も、
その前に消滅することもありえると思いますが。


コンサルタント業は、生産施設を見つけることや、
値段の交渉や、船に輸送するまでの雑用を受け持ちます
コンサルタントの報酬は、企業の利益の25%です。
25%とは多いようですが、
コンサルタントといっても駐在員並みの仕事をこなし、
儲からなければ報酬はゼロです。
頼んだ会社の業績は、
コンサルタントが有能かどうかに大きく左右されます。
職人気質のデンマークで品質管理をしてい奥さんは、
おそらく大変しっかりとした管理の仕事が出来るかと思います。。
コンサルタント請負を成功させた2人は、
信用できるデンマーク人の典型でしょう。

彼らがよく相談を受けるのは、
毎日ベトナムの会社とメールのやり取りをしていても、
一向に質問の返事が書いてこない事です。
そこで、会社は非常に慌ててしまいますが、
それはベトナムとヨーロッパの
コミュニケーション方式の違いだそうです。
まともに答えてくれないので、イライラと疑心暗鬼になるようです。
そういえば、日本の会社がノキアに会議に来た時も、
ノキア側は
「何が決まったのかさっぱり分らない」と不思議がっていました。
同じようなものかもしれません。

5年後の今日、2人は美しい豪邸の前で、
ポーズをとって新聞写真に収まっています。
9ヶ月になる子供もいて、ベトナム女性に子守をたのんでいます。
夫婦は「独立して大変良かったと思います。
仕事もそうですが、新しい文化を学ぶ毎日は、大変刺激的です」
「私達は誰にもはばかることなく、自分達だけで決定できます。
この自由を他のものと取り替えたくありません」
と語っています。


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2005年6月2日(木)

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