前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第198回
日本の食物はあっさりしていてまずい

隣のデンマーク人夫婦を夕食に招待した時に、
庭の温室で取れたカボチャの料理を添えました。
カボチャの料理は好評だったので、
次の年にカボチャの苗をあげる約束をしました。
日本から種を送ってもらった東京芳香南瓜は、
なぜか日本で食べるカボチャより味も濃く、甘みも強くて、
大変美味しいのでした。
さて次の年、隣の夫婦は苗を受け取って、
大喜びでせっせと育てました。
そして収穫して、自分達流に料理して食べたそうです。
結果を聞いて私達はがっかりしました。
「乾いていて美味しくない」と言うのです。
つまり「ホクホクして不味い」ということらしいのでした。
聞いてみると焼き栗も嫌いで、お隣の夫婦の食べ物の好みは、
やはり典型的なデンマーク料理だったのでした。

テレビの料理番組では、デンマーク人のコックが
軽口をたたきながらスープを作っていました。
「日本では魚をぶら下げて、
それにお湯を注いでスープは出来上がります。
そんな薄いスープはないよね」
すまし汁のことでしょうか?
と、いうことで、日本の味は「あっさりして不味い」らしいです。
食べ物は個人の好みの違いだけではなくて、
国によっても好みは非常に違うもののようです。
プリンやゼリーのお菓子なども
「プリプリして不味い」というデンマーク人は多くて、
スーパーでも売っていません。
「プリプリして気持ちが悪い」
と言うほうが当たっているかもしれません。

一方、南の国で出てくるリゾット・生煮えご飯は
「ウーン、このポリポリ感がなくちゃ」と、
芯があって美味しいそうです。
私達は、いつかベニスの漁村のレストランで、
お昼に他の料理と一緒にリゾット軽く食べたら、
夜になってもお腹がすかないのでした。
ポリポリの生煮え米は美味しくなかったけれど
“まあこういう物なのだろう”と一応は食べましたが、
消化出来なかったようです。

デンマークでは、今までこのように食べ物に保守的だったので、
寿司屋がこんなに流行るとは思ってもいませんでした。
町で流行っているどころか、小中学校の食堂にも登場して、
なんと大変人気があるそうです。
私の見てきた児童施設では、
子供達は少し変わった物だと食べないことが多かったのです。
ところがデンマークでは今、寿司は受け入れられているのです。


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2005年4月19日(火)

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