前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第197回
中国は世界の駐車場になる?

デンマークの新聞の見出しです。
こちら記事の内容がお耳に新しいものならよいのですが、
日本のニュースと重複しているかもしれません。
その時はすみませんが
“ヨーロッパの北の国でも同じようなことを言ってるなあ”
と言う程度の話としてお読みください。

−先週(4月の初め頃)、
世界最大の自動車会社GMの、中国の子会社の社長は、
嵐に向かって進む舟を降りました。
去年の中国の自動車会社の平均利益は、
2003年に比べて61.5%も落ちました。
そして、今年の1月、2月の成績は、
中国の、そして世界の自動車業界が
ひどいことになっているかを示しています。
作りすぎた車が溢れ、質の良い外車も叩き売られています。
それで、中国の消費者の方は
「もっと下がるのではないか?」
と、買い控えているのだそうです。

現在50万台の売り物の新車が駐車場に溢れていますが、
2005年には75万台になる、という悲観的な見方もあります。
「本当に深刻な問題で、
そのうち新車を潰して破棄しなければならなくなります」
というほどです。
鉄鋼の値段2003年に比べて倍の値段になり、
自動車会社はますます利益を出すのが難しくなっています。
中国の自動車会社はその分を輸出に回したいのですが
「いったいどこへ輸出できるのか?」ということになります。
中国GMが米国に輸出するなら、
デトロイトの自動車協会が黙っていないということです。
ヨーロッパなら、中国からの送料は、
車1台で19万円程するので、ポーランドで作る方が安いのです。
それでも、GM、VW、トヨタ、日産などの世界の巨大企業の、
近年の海外投資の60から80%は中国です。
2001年に中国がWTOに入り、
02年からは政府は車のローンの手助けをしてきましたが、
去年でそれも終りました。
政府は設備の古い企業を淘汰させようとしています。
そして、国営会社の上海自動車を、
最新設備購入などの後押しをして育てて、
世界の巨大企業にしようと目論でいます。

50歳になったばかりの社長のフィル・マートー本人は、
「個人的な理由で」会社を辞めると語っています。
2000年に社長に就任したマートーの将来には、
中国自動車業界の難しい時代が待っているのでした。
しかし、今辞めておけば、どう転んでも、
GMを中国で発展させた功労者として記憶されるでしょう―
という記事でした。


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2005年4月18日(月)

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