前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第193回
男が離婚される時

アメリカ人のコーンウェルと言う人は
「キリスト教が北欧の人に
セックスに対する後ろめたさを持ち込んだ」と書きました。
Qさんも「日本には元々そんなものは無かった」ので、
今日の若い世代の風潮は「元に戻っただけ」と書かれています。
ホモ・セクシャアルも日本では、元々モラルに反するものでもなく、
後ろめたいものでもなかったのでした。

ボノボという温和な種類のチンパンジーは、
猿なので、世間のしがらみや人間とは違います。
彼らは戦う代わりに
「メイク ラヴ ノット ウォー」
を日常的に実行しているそうです。
チンパンジーも、闘争の代わりにマウンティングの儀式はしますね。

人間の場合は、カーストがある社会に住んでいる、
とかいった特別な事情がないかぎり、友達になるのはフリーです。
しかし「誰とでも非常に仲良くなれる」ということではないです。
ですから、北欧でもそういう意味ではセックスの自由はありません。
それに、自分のパートナーに誰とでも自由にされたら、
やっぱり普通は嫌なのです。
それ以外にも、人間にはボノボと違って障害はたくさんあります。
フリーセックスとは、衛生観念も含めて、
あまり障害を気にしないマメな人の世界のようです。
精神的なタフさ、といったものかもしれません。

ところがデンマークでは、自分の子供のことも含めて、
あまり気にしない人が割と多いようではあります。
「生きるということは、自分がしたいように生きるということだ」
という感じの、個人主義が関係しているかもしれません。
私は男性が離婚されるのは、
女性の方に細かいことが気になる人が多くて、
他の人と住むのに耐えられないのからかと思っていました。
その他、片方が別の人を好きになったのが原因、
というパターンも多いのでしょうが。
私の店のフランス人ムリエルの子供達は幼稚園に通っています。
彼女は、離婚したデンマーク人のお母さん達から話を聞きました。
聞いた結果は
「どうも、何か新しいことが起って欲しくて離婚するようです。
子供もいるのにね」とのことでした。
離婚したら、男性も女性もまったくの個人に戻り
「究極の個人主義」に近いとは言えます。


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2005年4月12日(火)

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