前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第185回
アメリカは日本の後を追う?

昨日の話題にしたスイスの銀行の統計では、
コペンハーゲンの給料は都市の中では高くて、
世界で1番だそうです。
しかし同じ統計で、
物価が世界の都市の中で2番目に高いということで、
住んでいる私達にはどうという実感もありません。
去年はデンマークのGNPのほとんど半分(49.7%)が、
世界1高い税金に回されました。
それで、むしろ自由使えるお金は日本よりずっと少なくて、
つつましい生活をしていると思います。
ですから、日本に住んでいる方と同じで、
海外に旅行すると物価が安くて楽しいです。
デンマークでは夫婦で働く家庭が多いのですが、
そうすれば収入は増えて、なんとか家計に余裕ができます。
夫婦で働いて、もうひとつの良いことは、
女性が人生を自分で生きている実感がでて、
溌剌としてくることかと思います。
大変でしょうが。

60年代の終わりに私が来たばかりの頃は、
デンマークも景気がよくて、
物価の値上がりに合わせて自動的に給料も上がりました。
数ヶ月の間に何回も上がるので喜んだら、
同僚から「それは昇給ではない。喜ぶのは可笑しい」
と諭されました。
このインデックス昇給とは別に、年に1回の昇給があった時代です。
それから長い不況に入りましたが、
それは好景気に比べるので不況に思えただけで、
今日では低成長と呼ばれるものです。
やがて本物の不況が来て、不動産の値段もダラダラと下がりました。
今のデンマークは“好景気”と言われていますが、
不況から昔の低成長に戻っただけとも言えます。
老人の数が増えていくと、この僅かな成長にも陰りが出てきますが。

最近の新聞に
「アメリカの経済は日本の90年台に似ている」という
グラフ付きの記事がありました。
アメリカの銀行の利子や、国家財政の赤字や、
BNPのグラフを日本の10年前にそれぞれ重ねると、
確かに不思議なほど似ています。
このまま同じだと予想すると、
07年から米のBNPの伸びは0に近づき、
財政赤字は13年までに今まで以上に増え続けます。
グラフ通りなら、今年からアメリカの金利は1%以下になります。
しかし、現実には米政府は上げようとしているようですが・・・。
これからの展開はともかくとして、
グラフはQさんが以前に書かれていた
「工業先進国の日本が先に不況になって、
アメリカやヨーロッパがそのうちに続く」
という予測を思い出させます。


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2005年3月31日(木)

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