第91回
爆弾だったらどうするの?
デンマークも海外に団体旅行をする人が大変多いのです。
海外旅行をしてデンマーク人が色々の食べ物を知ったおかげで、
この国の食べ物もバラエティーに富んで美味しくなってきました。
南欧の食べ物屋とかエスニックのレストランなども増えました。
私達は93年に、
西アフリカのガンビアに団体旅行で参加しました。
まず、出国の荷物を預けるカウンターに行ってビックリ。
旅行者の列の横に何人ものアフリカ人がいて、
手に手に小荷物を持って私達に迫って来るのです。
そして「これをガンビアの親類に手渡してください」
と頼むのです。
何が入っているかも分からない荷物を、
預かれるわけがありません。
他の人も断わったとは思いましたが、
いったい何故に旅行者に頼むのかその時は分かりませんでした。
実は郵便事情が悪くて荷物がめったに無事に届かないのでした。
飛行機はカナリア諸島を中継して
西アフリカの海岸線に沿って飛びました。
どこまでも続く白っぽい砂漠と、
乳白色の膜がかかったような水の色が美しいのでした。
その砂漠の砂の色は見渡す限り、
ずうっとアフリカ大陸の地平線まで続いて果てしなく、
私は夢心地でそれを眺めていました。
夢心地というのは、
体の弱い私は前日からまたもや熱を出して
朦朧としていたからでした。
家には熱さましの薬も有りませんでした。
でも、私の熱は多分風邪なので
暑い国に行けば直るだろうと思っていましたが、
期待通り砂漠の風邪は2日目で直るのでした。
風邪ではデンマークの医者は薬や注射の治療をしてくれません。
飛行場はアカシアのピンクの花に包まれていました。
税関を出るとガンビア人が
荷物を勝手にドンドンすぐそばのバスに運びます。
チップは客の顔を見て吹っかけるようです。
ガンビア人の中には、
私達も頼まれた例の手荷物を
旅行者から受け取っている人がいましたから、
預かってあげた人もいたようです。
ガンビアに着いてすぐ、デンマーク人のガイドが
バスの中でこの国の説明をしてくれました。
刑務所では毎日1回囚人を引っ張り出してきてひっぱたく、
という話に度肝を抜かれましたが。
しかし、1週間で2回も
ひっぱたきの現場を見る羽目になるとは・・・。
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