第73回
投資向きマンション・コペンハーゲン
私の店で働いていたケンは、
家賃を出し合っていた友達が外国に行ったので、
住むところがなくなって困っていました。
あちこちに居候に近い形で暮らしていましたが、もう限界でした。
私は私で、コペンハーゲンで貸しマンションを持つと、
どういうことになるのかテストしてみたいと思っていました。
そこで、ケンが住むためのマンションを買う事にしました。
条件はケンと私と妻が気に入ることです。
毎週日曜日に捜して回りましたが、
ロケーションと建物の質を厳しく限定すると
なかなか適当なのが有りません。
町中の100年以上前に作られた建物はなかなか良いものですが、
私達の希望のエレベーターはたいてい付いていません。
ケンが住みたいというマンションを見てみると、
交通量の多い通りに面していたり、
管理も行き届いていなくて汚かったりします。
そういうのはケンには見えないようです。
私達の条件を満たした、その上値段も納得できるアパートというと
「そんなの有るんかいな」と、いうことになります。
でも、私と妻は自分達の住む所を捜して、
2百件以上の物件を見てきた経験から
「有ることは有るわいな」と思っていました。
そういう出物は時間をかけて捜す覚悟がいります。
ところが、
大変運の良いことに10数軒目でそれが見つかりました。
築10年でエレベーターが有り、6階建てアパートの最上階でした。
場所はコペンハーゲンの町中の最大の公園に隣接して、
見晴らしも上々で気持ちが良いのでした。
マンションを見に行って、
全員が一目で気に入ってすぐその場でサインしました。
頭金を20パーセント払って、残りはクレジット会社に頼みました。
年7パーセントの利子で20年掛けて支払うことになりました。
買ってから一年たって初めて
実際に計算通りにいっているかどうかが分かります。
マンションを賃貸すると家賃は普通の収入として加算されます。
すると税務署に50から65パーセント持っていかれます。
その際に会社を持っているので、
とりあえず30パーセントの法人税のみの支払いで済みます。
差額は会社を消滅させる時に払えばいいのです。
ということお金を残しておかないと、
止めるに止められないことになります。
このマンションの場合は
階段の掃除や雪かきや共有部分の管理費に
月に3万円程掛かりました。
利子も費用も全額が税金控除になります。
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