前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第58回
冬の夜道は危ないです

コペンハーゲンの道路の特徴は自転車専用路があることです。
歩道と車道の間の2、3メートルの幅の道です。
信号も自転車専用があります。
交差点では、まず歩行者が赤に変わり自転車が続き、
最後に自動車が赤に変わることになります。
道が整備されているので自転車通勤者も多くて
朝夕は自転車のラッシュ・アワーがあります。
ただし冬は天気が悪いのと、
白夜の反対で昼間も早くから暗いので自転車の利用者は減ります。
ゴルフ好きの日本人は明るい夏には、
平日の退社後に半ラウンドほどプレーするそうです。
その代わり天気も悪い冬は「夜長」というよりは「昼無し」です。
ですから毎年のことですが、春が来るのは本当に嬉しいですね。

実は私も長いこと自転車通勤していましたが、
6年前の11月の暗い夕方に事故に遭いました。
大きな十字路を直進したのですが
向こうから左折する車が、スピードを落とさずに向かってきました。
こちらは青信号で自転車にはランプも点けていましたが、
相手の運転手の目にまったく入らなかったのでした。
ぶつかる瞬間まで
「まだ間に合う。
今車がブレーキを踏めばたいしたことにはならない。」
と何度も思っていました。
先に来た他の車線の車はブレーキをかけて止まっているのに、
その車は私に真横からまともにぶつかってきました。
気が付くと濡れたアスファルトの上に仰向けにころがっていました。
痛みで体が動かせません。
吐瀉物で窒息しないように誰かが頭を支えていてくれました。
“体はともかく頭は大丈夫だな”と感じて安心しました。

私を助けようとして集って来たらしい大勢の話し声が聞こえます。
デンマークの人達は人助けには本当に労力を惜しみません。
家族を助けるみたいに親身にやってくれます。
「すぐに救急車が来るからね」“もう安心だ。頼りにしてます”
「初めはグリーン・ランド人かと思ったら日本人らしい」
“あれ、どうして解るのかな?”
「だれがやったのかですか」“警官らしい”
「それは私です」“女の人だ”
「ピポー、ピポー」“おお、救急車”
というわけで救急病院に向かいました。
医者の仕事がし易いように
車中で服をジョキジョキにちょん切られました。

頭は大丈夫でしたが、
体を庇った左腕だけでなくてなぜか右腕も折れていました。


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2004年10月6日(水)

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