第27回
バイキングだ、バイキングだ、バイキング
企業のクリスマスの食事会は忘年会の気分です。
会社で食べる場合などは
オープン・サンドイッチが依然としてポピュラーです。
この料理は日本では帝国ホテルで
1958年にコペンハーゲンから仕入れてきたそうです。
「インペリアル・バイキング」という名前で紹介されたそうですが、
今では単に「バイキング料理」という名前になってますね。
コペンハーゲンのホテルのスタッフも手伝いに来たそうです。
始めに塩漬けの鰊を塩抜きして甘酢や様々な香料に漬けた物を
ラードを塗った黒パンに乗せて食べます。
その時、上に乗せる玉ねぎとスナップス(焼酎)は欠かせませんね。
冷凍庫でキリキリに冷やしてトロトロになった液体を
専用の小さなグラスに注ぎます。
鰊を一切れ味わい、スナップスをひと口ふた口すすってからまた鰊。
キュッと飲み干してから又鰊。
スモーク・サーモンに鰻の燻製。
豚の皮付きオーブン焼きに家鴨の丸焼き。
牛タンの塩漬けにレバーペースト。
その度にスナップス、ワイン、ビールで乾杯しながら
延々とお喋りです。
普段のお弁当は黒パン一切れを半分にして
ハム、トマト、茹で卵とそれぞれ好みの物を乗っけて
一切れ半で足りているのです。
それがパーティーとなるとどうしてあんなに入るのか、
と思うほどたくさん食べます。
クリスマスのデザートはリース・ア・ラ・マンデル。
米の粒のしっかり残ったミルク粥に
アーモンドの砕いたのが混じってプチプチの歯応えです。
さくらんぼのソースをかけて色鮮やかです。
ミルク粥の中には丸ままのアーモンドが一つ入っていて
当たった人はプレゼントが貰えます。
最後はコーヒーです。
味はたいしたことないですが、
このコーヒーの一人当たりの消費量がデンマークは世界一でした。
最近の統計は知りませんが、これは意外ですね。
企業主催の大きな行事ではほかに「森のツアー」があります。
森にピクニックに行くのですね。
デンマークの映画で
ビレ・アウグストの「征服者ペレ」にも
貧しい農民が揃って一張羅を着込んで森に出かける場面があります。
最近のデンマークには
ボー・ヴィンタベアの「パーティー」とか、
面白い映画が多いんですよ。
色々な賞をとっているラース・フォン・トリアもいますね。
日本ではほとんど
見たことも聞いたことも無い監督ばかりかもしれませんが、
機会が有ったら見てみることをお勧めします。
|