前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第6回
美人弁護士に気を付けて

さて店舗です。
店舗をさがすことになりましたが、
不動産屋は駄目だとアドバイスする経験者が現れて、
デンマークでは弁護士に頼むのが普通だというのです。
N君も「そうだそうだ」と同意して、
知り合いから女性の弁護士を紹介してもらいました。
そんなやり方は、実はちっとも普通ではなっかたのですが、
その頃は何も知らなくて、
何を言われても「はあ、そうですか」と答えるしかなかったんです。

この国では職を捜すのにも不動産を捜すにも
新聞が一般的です。
日曜日には新聞にしては厚手の紙で
24ページで5、6部もあります。
その新聞広告を、弁護士に文章から何から
いっさいがっさい任せました。
ところがこれが
高くついても効果はまったく期待できないという代物でした。
なにせこちらの希望が
「最低50平米で家賃は月20万円まで。
権利金の類は無しで、コペンハーゲンで
一番乗り降りの多い駅からはじまる歩行者天国に面したものを」
という無謀なものでした。

我々の基準はといえば、その時働いていた店が
コペンハーゲンの一番の繁華街のアーケイドの中にあり、
140平米で40万円程だったからです。
ところが、我々の注文した通りの相場といえば、
家賃は狭い店でもその倍はしました。
その上にデンマーク式の権利金1000万円も積めば
「非常に運が良ければ見つかるかもしれない」
というレベルのものだったのです。
それを知ってか知らずか無能なのか悪徳なのか、
我等の弁護士は、内容にはコメントせずに
せっせと新聞広告を注文してくれましたっけ。
そうこうしているうちに時間だけはどんどんたっていきます。
結局この美人の弁護士はあとで断って、
私が不動産屋で捜してきました。
このデンマークの権利金は売買の対象になります。
ちなみに我々の希望したこの通りの小さな店舗は
10年後で何倍にもなりました。


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2004年7月26日(月)

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