第1151回
自殺者の数
警察庁は日本国内で2008年に1年間に自殺したのは
3万2249人だったと発表しています。
自殺者の3万人超えは11年続いています。
原因・動機が
遺書や関係者の話などから判明したのは2万3490人となっており、
鬱病が動機だった人は6490人となっていました。
警察庁の自殺統計原票では
鬱病の次に多かったのは身体の病気で5128人、
次が多重債務の1733人、その他の負債1528人と続いています。
年代別では50代が6363人で9.7%減と
人数では最も多くなっていました。
70代は3697人で5.4%減、
80歳以上は2361人で5.1%減と続いていきます。
自殺者の年代別では中高年層の割合が高く
30代の4850人と前年比で1.7%増となっており
過去最多となっていました。
都道府県別では10万人当たり自殺者の自殺率では、
青木ケ原樹海を抱える山梨が41.1人で前年と同じでした。
次いで青森の36.9人、秋田の36.6人と続いています。
2009年1〜6月の自殺者数は前年同期比で768人で
4.7%増の1万7076人となっていました。
1日平均では94人以上が自殺しており、
過去最悪だった2003年の年間3万4427人に迫る勢いとなっています。
都道府県別では、29都府県で前年同期より増えており、
大幅に増えたのは、埼玉の139人増の971人、
東京の126人増の1569人、千葉の94人増の757人と続いています。
米国と欧州を対象に行われた調査では
失業が増えることで殺人と自殺が急増することが分かっています。
EU(欧州連合)の記録を40年間追ってきた科学者は、
失業率が1%上昇すると
自殺率と殺人率が0.8%上昇するとしています。
研究の主任を務める
英オックスフォード大学のデビッド・スタックラー氏は
金融危機の影響は、
各国政府がどのような対応をとるかに大きく左右されると述べ、
金融危機は多くの人々にとても大きな苦難をもたらしているが、
だからといって命を犠牲にする必要はないと指摘しています。
研究では失業率が大幅に上昇したことで
事態は悪化したと指摘しており、
失業率が3%余り上昇したときに自殺率は4.5%増えており、
この場合アルコールの過剰摂取による死亡は28%上昇しています。
これは失業という短期的に負の作用をもたらす要因が、
主に心理的苦痛に影響を及ぼすとの考えを支持しています。
(次回に続く)
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