第1130回
リスク分散
ワー・サン・ガスは今回の再建計画が実現しなかった場合は
上場廃止となる見通しでした。
取引再開されたのはいいことですが、
2004年4月6日以前から同社株を保有していた投資家は
どうしたらいいのでしょうか。
ワー・サン・ガスが売買停止する前の株価は
0.70香港ドルを割ってはいましたが、
取引が再開された5月12日の終値は0.320香港ドルでした。
株価でも売買停止前の半値以下となっています。
また、次の日の5月13日の終値は
0.210香港ドルと安くなっていました。
ワー・サン・ガス株を持っていた投資家からすれば
損にはなりますが売却して、
他の銘柄に乗り換えて投資しなおすのが
一般的な投資方法と考えていいでしょう。
今後の株価の値上がりを期待したいのであれば
売却せずに手持ち株を残して見る方法もありますが。
今回の出来事で思い出すのがヤオハン・インターのことです。
香港上場企業で
ヤオハン・インターナショナル・ホールディングスが
上場していました。
1990年には、ヤオハングループ本部を香港へ移転し、
中国大陸中心の経営戦略を明確に打ち出しました。
1996年にヤオハングループ本部を上海へ移転しています。
和田一夫氏は香港の14億円の豪邸スカイ・ハイを買い取り
絶頂へ上り詰めていました
このころは和田一夫氏が本でも特集で取り上げられていましたので
知っている方も多いでしょう。
ですが、ある日突然ヤオハン・インターは香港市場で取引停止となり
そのまま倒産しました。
投資家にとっては寝耳に水で、
ヤオハン・インターの株は紙くずとなり、
多くの投資家が損をしました。
投資方法でも他の企業も購入して分散投資していなければ、
もし、ヤオハン・インターの株だけに投資していたなら
投資していたお金はゼロ円になっていました。
投資するリスクを分けるには分散投資が欠かせません。
ワー・サン・ガスに対しては
今回の再建計画が実現しなかった場合は
上場廃止となる見通しでしたから、
ゼロ円にならなかった分
まだ喜ばなければいけないかもしれません。
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