第1119回
円安と株価
最近の為替動向を見ていると、
アメリカドルに対して日本円が5ヶ月ぶりに値下りし
100円まで円安となってきました。
世界経済の停滞の影響とともに
日本を代表するトヨタ自動車が
平成21年3月期の連結営業損益で赤字に転落しました。
この中には円高がすすんだために
為替で利益が大幅に圧縮されたことも原因の一つに入ります。
株式投資と為替の関係を考えるた場合、香港市場は香港ドル、
中国本土B株市場はアメリカドルで売買されるため、
円高のときと円安の時に交換するとでは差がでます。
為替で100円のときと110円のときでは、
100円のほうが10%分多く香港ドル、
アメリカドルに交換できますのでお得です。
B株企業がアメリカドルで1ドルなら100円の時に購入したほうが
110円のときより10円も安く購入できます。
ですのでいまより円高だった
2008年11月から2009年3月の間に購入できていれば
為替でも恩恵を受けることができました。
ではもう円高の恩恵は受けられないのかといえば、
アメリカ経済は不安定ですので
再度100円を割って円高が進行することが考えられます。
ではずうっと円高が続いていくのかといえば、
長期的に日本の経済が強ければ円高が続くでしょうが、
大きく円安に振れていく可能性も高くなっています。
では、実際の投資で
為替を気にしながら投資したほうがいいかといえば、
為替を無視して
企業の業績を最優先して投資を考えていくべきなのです。
確かに円高の時に購入できれば為替でも得をし、
同じ金額でも株数を多く購入できます。
だからこのときは得な購入ができたと考えることができますので
喜んでいいのです。
ですが、為替で利益を出していくことが
中国企業への投資ではありません。
大事なのはあくまでも投資した企業の成長性ですので、
こちらを重視します。
投資した企業が2倍3倍と収益を伸ばしていったなら、
為替でのメリットとはかけ離れた
大きな利益を手にすることができます。
為替は毎日変動します。
日本円がアメリカドルに対して
150円、200円まで急激に下げるようなことがあったなら別ですが、
常識ではそんなことはありえませんので無視をしていいでしょう。
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