第1057回
五分の一以下
一般投資家は株価が上がっていくことのみに
興味を持っているように思えます。
それも自分が購入した企業の株価だけが大きく上がってくれれば
それで満足というように見えます。
利益を追求するのですから、悪いことではありませんが、
では実際にそうなるかといえばなかなかそうはいきません。
上がっていく株にしても、
なるべく安いときに購入していないと、
大きく上がっていくのには無理があります。
一般投資家に人気がある企業の株は市場では平均的な株価か、
もしくは多少高くなっています。
数年間収益が伸びていくのがわかっている優良企業でしたら
株価も高くなっているでしょう。
そのような企業の株を購入して
5倍、10倍にすぐに上がっていくかといえば、
3割、5割上がっていくことは考えられますが
大きく上がっていくには
収益でも5倍、10倍増えていかないと
株価も5倍、10倍に上がりませんので
投資年数でもそれなりにかかります。
底値近辺で購入できたとしても
2倍になるのがせいぜいでしょう。
それでも2倍という数字はすごいことですが。
中国株で利益を出すには
とにかく株価が安いときに購入することが第一です。
去年の夏ころは全体に株式市場の株価が上がっていましたので
安く購入できたとしても、もう高値圏内でしたから、
その後大きくは上げていなかったでしょう。
逆に秋以降サブプライムローン問題で株価は下げてきました。
ですので、去年の夏に購入した企業の株は
現在買値を割っている投資家が多いのではないでしょうか。
いくら夏の時点で安値で購入できたとしても、
サブプライムローン問題で下げている銘柄がほとんどですから。
例えば、華南地域最大規模の造船会社である
広州広船国際(コード:0317)は
2007年10月12日に68.5香港ドルの高値をつけましたが、
その後2008年8月14日には13.1香港ドルまで下げています。
株価では五分の一以下になっています。
では広州広船国際の収益の伸びが
2007年10月のときの五分の一になったのかといえば、
そんなことはありません。
鉄鋼価格と人件費の高騰が今年は響きますが、
鉄鋼などの原材料を一括調達することで価格の引き下げを行います。
収益は伸びており、
広州広船国際は親会社から造船事業を買収することを発表しており、
船舶の建造能力は倍増します。
2008年本決算でも増収増益予想です。
株価が五分の一以下まで下げることは通常では考えられません。
ですが、サブプライムローン問題で
アメリカ経済減速懸念から世界の株式市場の低迷が考えられ
香港市場、本土市場の株価は大きく低迷しています。
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