第1041回
決心
リハビリで入院して2ヶ月目にある決心をしました。
その決心とは、
今まで住んでいる近くに土地が売り出されており、
家族との相談の結果、
その土地を購入し家を建てると決めたことです。
今まで住んでいた家のほかに、
身体障害者が住みやすいような家を建てることです。
建てる家はバリアフリータイプで、エレベーターをつけ
車椅子で各階を移動できるなど、
随所に身体障害者にとって動きやすいように
設計してある家にします。
本来の予定では私が60歳前後になったならと考えていたのですが
今回の病気で建てる時期が早まりました。
建てる家にしても当初とは違った形となりました。
もし、健常者だったとしたなら
バリアフリータイプではなかったはずです。
設計に関しては都内の青山にある事務所にお願いしましたが、
私自身は最初の顔合わせのときしか挨拶はしていません。
最初は自宅に来てもらいましたが、
あとは青山ででしたので妻に任せていました。
後は妻が取り仕切っていますが、
それなりに理想だった住みたい家と
現実に住みやすい家とを組み合わせて考えることで
楽しんでいるようですが。
設計から半年、概略は出来上がって今は最後の詰めに入っています。
家は来年の6〜7月に完成予定で、これからボーリングを行い、
地盤調査を行う予定です。
とりあえず去年の8月に土地を購入していました。
9月の半ばに私はリハビリセンターから退院しましたが、
退院するときも車椅子からタクシーに乗って自宅に帰るのですが、
車椅子からタクシーに乗り換えるまでがまず一苦労で、
タクシーから自宅に入るまでがまた大変です。
人に手伝ってもらってベッドにたどり着くだけで一仕事でした。
一人でタクシーに乗って帰ることもできないのですから、
まったく情けないのですが、
そのときは必死で移動するのがやっとでした。
自宅のほうも私が入院中に
家の中でもバリアフリーにできるところはして、
手すりが必要な風呂場や階段にはつけていました。
手すりについては市から一部は補助金が出ましたが、
バリアフリーにしたところは個人負担です。
ここで私自身助かったと思ったのは、
家のことにしても今後の生活、
どういうようにしていったらいいかどうかを
考える時間が持てたことです。
あわてなくて住んだのは
中国株投資で少しですが資産ができていたからです。
もし、資産がなかったなら、
退院して家族どのように明日食べる米を手に入れるために、
働いて生活費を稼ぐかを考えるだけで
その先のことは考えられなかったでしょう。
私が働けなければ家族が働くことになりますが、
はたして雇う企業があるかどうかが問題です。
生きていくだけで食品や税金、
そのほか雑費を入れたら一定のお金は必要でしょう。
人は生きているだけでお金がかかります。
もし、そのお金がなかったなら
周りの人にお世話になるしかありません。
53歳で私は倒れてしまいましたが、53歳といえば働き盛りです。
同じ年代のサラリーマンで
家やマンションを購入してローンが残っていて
病気になってローンが支払えなければ
売却して出て行かなければならなくなります。
出て行って済めばいいのですが、
売却してもローン代に足りなければ
住んでいたところを出ただけでは済みません。
住むところがなくなっただけではなく借金を背負うことになります。
借金を背負って、働いて生活費を稼ぐほかに身体障害者がいたなら、
家族の中で健常者が働いても、
今日をいかに生きていくかしか目の中には入らないでしょう。
私もお金がなかったら借金はなかったとしても、
私が働けなければ家族が働いて
その日いかに生きていくかがテーマになったでしょう。
生きていくお金が何とかなって、
そのほかに使えるお金が手に入って
初めて精神的に余裕が出てきます。
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