第848回
中国建設銀行と中国銀行の6月中間決算から
中国4大国有銀行の一行である中国建設銀行(コード:0939)が
2006年6月中間決算を発表しています。
・中国建設銀行の2006年6月中間決算から
業務純益 --- 328億1400万元 前年同期比 3.4%増
純利益 --- 232億2300万元 前年同期比 18.1%減
EPS --- 0.10元
中国建設銀行は優遇税制の適用期限の満了となったために、
納税額が前年同期比2.8倍の95億9100万元まで膨らみ
6月中間決算では3.4%の増収ながら
18.1%の減益となっていました。
優遇税制が切れていなかった場合、13.3%の増益となっています。
市場では減益を織り込んで株価では最近下げていました。
また、中国4大国有銀行の一角である中国銀行(コード:3988)は
2006年6月1日に香港メインボードに上場した企業です。
・中国銀行の2006年6月中間決算から
業務純益 --- 343億3800万元 前年同期比 19.7%増
純利益 --- 194億7700万元 前年同期比 28.3%増
EPS 0.09元
2005年12月時点では法人向け銀行業務が49%、
個人向け銀行業務が34.2%となっており、
子会社を通じ投資銀行業務や保険業務も行っています。
6月中間決算では業務純益が前年同期比で19.7%増、
純利益が28.3%増となっています。
中国建設銀行と中国銀行は
中長期的に伸びていく企業ですので投資を検討できます。
ただ、業績では高い成長率ではないでしょうから、
売買に対しても短期ではなく長期で投資をしていくような企業です。
香港市場には2006年第4四半期に
中国国内で業務純益、純利益でもトップ銀行である
中国工商銀行が新規上場する予定です。
今後どの銀行が業績でも大きく伸ばしていくのかを検討して
投資を考えるのか見ていく段階が中国4大国有銀行です。
銀行の業績が順調に伸びていくようになれば、
中国通貨、元が
為替でも現在のバスケット制から変動相場制になっていく道筋が
少しずつながら見えてきます。
もし、変動相場制に移行するようになれば
中国の通貨元は世界でも認知されていきますので
世界の投資資金が中国株式市場に入ってくる道筋が見えてきます。
中国株ブームがこのときにおき、
中国株式市場の株価が全面高になっていく可能性が大きいでしょう。
ですが、まだまだ先の話ですが。
為替でもまだ世界に認知されていないうちに
中国企業の株価に投資しておくことで、
将来為替でも元が値上がりする前に
中国株を仕込んでいく時期であることが見えてきています。
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