第819回
元の値上がり時期
現在中国の元は為替でも大きく値上がりをしてきていません。
2005年7月21日に為替でバスケット制を採用し
元を2.1%切り上げました。
その後約1年がたっていますが、元の上昇率は1.数%程度です。
中国はアメリカに対して貿易黒字幅を拡大していますので
本来は元が大きく上昇してもいいはずですが、
そうなっていません。
理由は中国の輸出企業にあります。
中国から輸出する輸出企業上位200社の輸出総額を見てみますと、
外資系企業が全体の62.5%を占めています。
残りの37.5%が中国企業となっています。
中国企業の多くは薄利多売の商品を輸出している企業が多くあり
為替リスクに対して意識が低いために、
このまま元が上昇してしまうと
多くの企業は利益を出せなくなってしまいます。
中国は輸出企業が元の上昇に耐えられるようになるまでは、
元高になっていくのをなるべく先送りするように
手を打ってきています。
このため元は通貨でも
大きく値上がりしていかない状態が続いています。
ですがこのままずうっと元が安くいられるわけではありません。
いずれ元は値上がりしていくようになるでしょう。
その時期はいつかといえば、
中国国内輸出企業がある程度力をつけてきてからになるでしょう。
中国国内輸出企業がある程度力をつけてきて
元が値上がりするようになる、このような道筋が見えます。
つまり、為替での利益を考えるのなら
この時点までに中国株を購入しておくことです。
元が値上がりする前に中国株を仕込んでおいたなら
為替でもメリットを受けることができます。
日本では固定から変動相場制になり日本の円は値上がりしました。
日銀も買い支えをしましたが、効果も薄く円高になっていきました。
日本の輸出企業は悲鳴を上げながらも
何とかそれをクリアーして伸びてきました。
中国では日本のような二の舞は踏まないようにと
慎重に対処してきています。
ですが、これが果たして
中国輸出企業にとっていいことなのかどうか、
中国企業を甘やかすことにつながっていくことにもなりかねません。
どちらにしても一長一短があります。
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