第781回
ペトロチャイナとレノボグループ
ROEだけを取り上げてみますと、数字がいいのが
石油銘柄のペトロチャイナ(コード:0857)です。
ペトロチャイナとレノボグループの両社とも
売り上げ高では日本円で1兆円を超えています。
ペトロチャイナの2006年12月本決算は
売上高が5522億2900万元に対して純利益が1333億6200万元でした。
ROE(株主資本利益率)の数字では約24.15%です。
レノボグループの0.167%と比べてみてもはるかに高い数字です。
利益が出ている企業であるのだから、
当然株主にも配当金という形でペトロチャイナは出しています。
ペトロチャイナは2005年中間期にも
1株あたり0.157719元を配当金としてだしており、
期末配当でも1株当たり0.180325元だします。
現在の株価は高くなってきてはいますが、
8.50香港ドル前後で2005年度の配当利回りは約3.9%前後です。
一方、レノボグループの株価は現在2.30香港ドル前後で、
2005年度の配当利回りは約2.2%前後です。
ペトロチャイナの4%近い配当利回りに対して、
2.2%は低い数字となります。
配当利回りでもROE(株主資本利益率)が高く、
EPS(一株あたり純利益)が高い企業は配当金額も多く出せます。
ですが、高い配当利回りになるには、
株価が高すぎると、高配当利回りにはなりません。
例えば、ペトロチャイナに人気が集まり
株価でも今の倍の17香港ドルまで上がっていって、
2005年度の配当額が同じであれば
現在の4%近い配当利回りも半分の2%程度まで下がります。
レノボグループの人気が落ちて、
株価でも今の半額の1.15香港ドルまで値下がりすれば、
2.2%の配当利回りも2倍になりますから
4.4%まで配当利回りが上がります。
配当利回りでは、ペトロチャイナとレノボグループが逆転します。
このような場合も考えられます。
この数字はあくまでも2005年度の配当利回りだけを考えた数字です。
実際は、2006年度の数字がこれから出てきますので、
重要視していくのは今年の企業収益となります。
<次回に続く>
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