中国株で財産をつくろう

イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第780回
売り上げと純利益

売り上げが伸びても純利益になかなか結びつかない
レノボグループのような企業へ投資し、
利益を上げていくのは難しいでしょう。

このような企業に投資して利益を出したいのであれば、
十分株価が値下がりしきったときに購入し、
後は株価が反転して値上がりしていくタイミングを見計らって
売買するほうがいいでしょう。

もともと売り上げに対してどのくらい利益が出していけているか、
企業の実力を見ていく上ではROEを重視します。

ROE(return on equity)とは
日本語で「株主資本利益率」と呼んでおり、
企業が売り上げた残りの税引き後利益が
どのくらいあるかを表しています。

例えば、株主資本が1000円で税引き後利益が50円ならば、
ROE=50円÷1000円×100=5%
5%となります。

レノボグループの2006年3月本決算の場合を見てみますと、
売上高が1035億5100万香港ドルに対して
純利益が1億7300万香港ドルですから
売上高利益率で計算しますと 
1億7300万香港ドル÷1035億5100万香港ドル×100=0.167%
0.167%となります。

日本円で1香港ドルが15円ならば、
売上高は約2兆326億円になります。
それに対して純利益は25億9500万円です。

いくらレノボグループの売上高が2兆億円を超えていたとしても、
純利益が約23億円では
投資している投資家に対して十分な利益還元はできません。

ちなみにレノボグループのROEは23.1%となっています。

レノボグループの2006年3月本決算では、
EPS(一株利益)が0.0197香港ドルしかないのに、
期末配当は2006年本決算の利益より多い
0.028香港ドルを株主に支払います。

2007年本決算では行政が回復していく予想となっていますが、
デルコンピュータとの価格引き下げ競争が本格的になったなら
純利益でも回復していくかどうか予断は許されません。

<次回に続く>

中国株・株式投資 小泉 鉄造


当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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2006年6月1日(木)

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