第766回
小売企業の2005年本決算
2005年本決算で業績が順調に伸びているのが小売企業です。
上海を拠点としている小売企業の
聯華超市(リエンフアスーパー、コード:0980)の
権利落日は5月25日となっています。
・聯華超市の2005年本決算から
売上高 --- 143億1300万元 前年比 31.9%増
純利益 --- 2億4000万元 前年比 11.2%増
EPS --- 0.39元
配当 --- 0.07元
聯華超市の純利益の伸び率では
2003年本決算では29.2%増、
2004年本決算では31.7%増、
2005年本決算では11.2%増と順調に伸びています。
また、北京を拠点としている小売企業の
北京物美商業(コード:8277)の
権利落日は3月24日でした。
・北京物美商業の2005年本決算から
売上高 --- 39億1900万元 前年比 50.9%増
純利益 --- 1億6500万元 前年比 52.4%増
EPS --- 0.58元
配当 --- 0.18元
北京物美商業の純利益の伸び率では
2003年本決算では160.9%増、
2004年本決算では50.8%増、
2005年本決算では52.4%増と
聯華超市を上回る数字で伸びているのがわかります。
その分PER(株価収益率) では低い数字となっています。
PERとは、株価を1株あたりの利益で割った倍率で
一般には人気のある企業や高い成長をしている企業には
投資家が株を購入しますので株価でも割高感があります。
ですが、長期でその企業が伸びていけば
たとえ現在の株価が高かったとしても
長い間には業績が伸びていきますので
PERも低い数字から高くなっていきます。
たとえば年間10%成長していく企業の株価が100円で
一株利益が10円ならば、
株価の100円になるまでには10年かかりますので
PERでは10倍という数字になります。
年間50%成長していく企業の株価が100円で
一株利益が5円ならば、
株価の100円になるまでには20年かかりますので
PERでは20倍という数字になります。
年間10%成長していく企業でPERが10倍ならば、
10年後のPERがいくらになるかといえば約3.85倍です。
年間50%成長していく企業のPERが20倍だったとき
10年後のPERはどのくらいになっているかといえば
約0.346倍となります。
10年後には年間10%成長企業では
PERが約3.85倍にしかなっていないのに対して、
50%成長企業ならば約0.346倍となり
その差は10倍以上の開きが出ます。
ですので、PERに比べて株価が高すぎるからという理由だけで
投資できない企業だと決め付けるわけにはいきません。
<次回に続く>
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