第735回
中国水務と競合企業との比較
水道事業に参加している企業では、
中国A株市場で1社と香港市場では
越秀投資(コード:0123)と
広東投資(コード:0270)が上場しています。
長江基建(コード:1038)がオーストラリアの飲料水処理事業では
オーストラリアのビクトリア州で
四つの都市に独占的に飲料水事業を行っており成功しています。
今後は同社も参入してくることが考えられます。
中国A株市場の企業には外国投資家は投資ができません。
また長江基建もこれから参入するかどうか見ていく段階です。
気になるのは「越秀投資」と「広東投資」です。
両社ともコングロマリット(複合)企業で
ひとつの事業だけに投資をしているわけではなくて
多くの業種に投資をしており
水道事業もその中のひとつとなっています。
「越秀投資」は広州市政府系の投資会社で、
主に不動産事業、製紙事業、有料道路運営が主体です。
同社の傘下企業の中科越秀(香港)は
主に地理情報サービスを行っていますが、
他に交通、給水・汚水処理、環境などの
公衆設備管理のアプリケーションサービスも手掛けています。
ですが本格的には水利事業には参入してきてはいませんので
脅威はありません。
問題は「広東投資」です。
広東投資は広東省政府系コングロマリット企業で
省政府系の投資会社が筆頭株主となっています。
同社は給水事業を中心に
電力、有料道路、不動産投資、ホテル、百貨店など
各種事業を展開しています。
また給水事業からの収益は60%となっています。
2005年6月中間期で
給水事業は深センと東莞での給水価格の引き上げと
新規顧客数の増加となったために好業績となっています。
給水量は前年同期比で8.6%増の
10億5000万立方メートルとなっていました。
同社は2003年に
広東省北部から香港間に水道管(83キロ)を建設しましたが
現在は資金を回収しています。
今後は送水量の増加と料金引き上げで
利益が伸びる段階に入っています。
2006年1月に入り同社は水道料金の引き上げを検討しており
関係当局と交渉中です。
水道事業は中国水務だけの独占事業ではありません。
他の企業と比べてみていく必要があります。
<次回に続く>
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