第661回
鳥インフルエンザ予防薬
博智国際薬業が上場した2003年11月のときの同社の生産ラインは
「2本」でした。
2005年現在の生産ラインは「15本」まで膨らんでいます。
2005年はじめ同社の子会社が製薬会社の1社を買収しています。
現在医薬品メーカー2社と買収協議を行っており、
工場付近の80〜100ムーの土地を買収して
新たに工場を建設する予定です。
新工場では製品の多様化を進め
従来からの製品の大、小容量注射液の他に
顆粒剤、粉薬、溶液剤、シロップ、点眼剤、点鼻薬、
噴霧剤、および外用チンキ剤を生産していきます。
博智国際薬業が新発売していく製品の中に
「鳥インフルエンザ予防薬」があります。
製品名は「ヤン酸ジャンガンワン」で
鳥インフルエンザ予防薬として
中国国家から始めて認可されています。
これは鳥インフルエンザになった患者に効くというのではなく、
予防効果がある製品として認められています。
製品はシロップ状のもので、内容量は100ミリです。
現在は原材料を確保中ですが、
原材料価格が最近5倍に値段が上がったということです。
製品は今年中か来年早々には発売されます。
博智国際薬業の鐘厚泰社長はこの製品の広告に力を入れていました。
鳥インフルエンザ予防薬は
現実に発売されて効果があるのかどうか見てみないと
どこまで売れるのか、その効果がはたしてどこまであるのか
今後を見ていかないとなんともいえない状態ですが。
・財務状況
年 |
2000年 |
2001年 |
2002年 |
2003年 |
2004年 |
売上げ |
33.328 |
73.678 |
146.743 |
203.520 |
233.897 |
粗利益 |
11.892 |
27.111 |
56.056 |
81.522 |
94.685 |
粗利益率 |
36% |
37% |
38% |
40% |
40.5% |
純利益 |
9.458 |
24.412 |
46.241 |
62.435 |
67.633 |
純利益率 |
28% |
33% |
32% |
31% |
29% |
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年 |
2005年中間期 |
2005年決算期 |
売上げ |
110.025 |
250.000 |
粗利益 |
45.023 |
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粗利益率 |
40.9% |
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純利益 |
31.812 |
----- |
純利益率 |
29% |
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2005年上半期の業績は伸び悩んでいました。
2004年上半期の売上額は1億2100万香港ドルで、
税引き後の利益は3900万香港ドルでした。
2005年上半期の売上額は1億1000万香港ドルで、
税引き後の利益は3200万香港ドルでした。
2004年後に比べ減収減益となっています。
これは2005年国家開発委員会は
一部医薬品価格の再引き下げを準備しているということで、
顧客が引き下げによる経済的損失を懸念して
在庫量と入庫量を削減したために
一部の製品の販売量が減少し売上げは伸びませんでした。
博智国際薬業は2006年以降は
現時点の製品の売上げでの伸びと市販薬を販売する事で
年間1億香港ドルの売り上げ増が見込めると試算しています。
<次回に続く>
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