中国株で財産をつくろう

イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第655回
天災と人災

中国で今後伸びていける業種に不動産があります。
中国では今後も所得が伸びていきますので
不動産企業は伸びていくことができるでしょう。
中国は日本と違って土地が広いですから
建物も横に広がっていってもいいようなものですが、
なぜか高い建物が多く建設されています。
特に上海や北京中心部は
土地に限りがありますから仕方ないにしても
他の都市でも高い建物が目立ちます。
これはアメリカや香港などは高い建物があるために
発展していく都市は高い建物が建っているということで
模倣している面が大きいでしょう。

では高い建物自体の安全性はどうかというと疑問があります。
香港や上海などは長い間地震が起きていませんので
もし万が一起きたらどうなるかという不安が付きまといます。
上海の浦東地区中心部には高い建物が多くたっていますが、
こちらは耐久性において世界水準であるでしょうから
まず大きな被害は起きないでしょう。
問題はその他の建物で
50メートルから100メートル程度の中くらいの物件です。

11月26日の午前中に江西省でマグニチュード5.7の地震が発生し
家屋が1.8万棟以上が倒壊し死者も17名以上出たと発表しました。
今後は新たに住宅が建設される物件に対しては
従来の耐震基準を引き上げていくようになりました。
中国でも天災の地震などでは投資リスクがあります。

では日本は大丈夫かというとそんなことありません。
日本は地震大国ですので
日本のほうがよっぽど被害を受ける可能性があります。

また天災だけではなく人災も出てきています。
構造計算書の偽造を行った建築士の物件では
耐震強度に対して震度5程度で倒壊する建物を設計し
問題を引き起こしています。
これは個人だけの問題ではなく企業の意向もあり複雑な問題ですが、
残念ながら日本の建物に対する安全性重視という点からは
日本の信用を失墜させています。
もし大きな地震が起きたなら
多くの人命が失われていたかもしれません。

企業利益優先と自己利益、自己保身のためには
人のことなどどうでもかまわないという風潮が大きくなっていけば
その国の国民は幸せにはなれません。
「家の診断」などで問題のない家でも
問題があるように見せかけて補修費を騙し取ったり
「オレオレ詐欺」が日本ではまかり通っています。
なるべくそのような被害を受けないようにしていくことが
最善の策ですが
時にしてそのような被害を受けてしまったら
なかなか自己だけでは解決できないことになっていく可能性も
大きいでしょう。
ですがこれらは人災のことです。

<次回に続く>



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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2005年12月9日(金)

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