第647回
忍耐力
忍耐力というのは、
何かに対して耐え忍ぶということでもあります。
株式投資で長期投資を行っていくのでしたら
長い年月がかかりますから忍耐力も必要です。
ですが株式投資ではいい忍耐力と悪い忍耐力があります。
悪い忍耐力の典型は
業績が悪い企業の株をそのまま放置しておく事です。
例えば購入したときの企業の株価が100円だったときに値下がりし
10円になったときなど
せめてもとの株価の100円まで上がって
損をしないで売却したいと考えたなら
そこには危険が付きまといます。
投資した企業が100円のときは
100円だった時の企業の価値観があって
株価でも100円していた時です。
それが10円にまで下がったとしたなら
株価が下がった理由があるはずです。
企業業績はいいのだが
株式市場自体が低迷しているために安くなっているなら
そう問題はありません。
ですが企業業績が大きく落ち込んでいる、
投資した企業の業種が時代に合わなくなってきており
今後も成長ができない場合は事態は深刻です。
本来はもっと損が出ないうちに
すぐにでも売却していかなければいけません。
また株式市場自体の成長が
伸びることができなくなった事がわかった時などは
持ち株の売却を考えなければいけません。
このようなことは頭の中でわかったとしても
なかなか実際に行う投資家は少ないでしょう。
実際日本の株式市場でも
日経ダウ指数が1990年に入り下がり始めた後
どのくらいの投資家が売却できたかには疑問が残ります。
逆に売りたくなくとも損が出たために
あきらめて売却した投資家も多かったでしょう。
このように企業成長が望めなくなった企業や株式市場が
大きく伸びていけなくなったときは
売却をしていく準備をしたほうがいいでしょう。
いい忍耐力の場合はほぼこの逆になります。
株価がたとえ十分の一に下がったとしても業績が伸びている、
また業種でも伸びていくことができていたなら
その企業の株は売却する必要はありません。
また投資している株式市場自体が今後成長していけるのでしたら
売却を検討するより投資を如何に行っていくのかの方が
大事になってきます。
こちらのほうの投資での忍耐力は
積極的な投資で利益が出せるものです。
逆に利益が出せない忍耐力のほうは消極的投資で
投資利益でもプラスにしておこうというのではなく
何とか損を少なくしていこうというのが課題です。
今まで何年も
そのようなマイナス思考になるような企業に投資をしていると
どうしても気分もふさぎこんできます。
株式投資でこのような企業の株を売却すると
腫れ物が取れたように投資でもすっきりするものです。
またマイナスだった気分も一掃されます。
悪い忍耐力からは早めに分かれることが株式投資では必要です。
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