第644回
PERとは
株式投資を行うときに企業の業績を見るときに
PERに対して株価が高い、割安感がある、という言葉が出てきます。
PERとは株価収益率のことで、
一株利益(EPS)に対して何倍で企業の株が買われているかを
表した数字です。
例えば100円している株価の企業の一株利益が10円でしたら
100円の株価に対して一株利益で見れば
10倍の株価で売買されていることになります。
中国人寿保険の21日の株価 は6.050香港ドルでPERは23.35倍でした。
このとき他の企業がPERで10倍でしたら
他の企業は10年分の株価になっています。
他の企業が10年分の利益を出すのに比べて
中国人寿保険は23.35年分かかります。
ですので他の企業のほうが
中国人寿保険の株価に対してよりは割安感があります。
また利益を出すにも23.35年より10年のほうが期間も短いですから
両社を比べますと株価収益率(PER)も高いということになります。
逆に中国人寿保険のPERが低いということになります。
ですが株価でもPERでも低い企業はそれなりの理由があります。
例えば年率で40%成長していける企業のPERが20倍だったときと、
年率10%で成長していける企業のPERが10倍だったときには
5年後10年後のPERは数字の上でも違ってきます。
・5年後10年後のPER
年 |
成長率 |
5年後 |
10年後 |
PER20倍 |
40% |
3.7倍 |
0.69倍 |
PER10倍 |
10% |
6.2倍 |
3.85倍 |
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高い成長率で伸びていく企業のPERのほうが
長期では大きく上がっていきます。
年率40%成長企業でPERが20倍なら10年後には0.69倍ですので
一株利益に対して1年もたたない0.69年で利益を出してくれます。
一方年率10%成長企業でPERが10倍なら10年後には3.85倍ですので
3年半以上かかる計算になります。
PERが20倍だったとしても
長期で見たなら大きく数字は変わっていきます。
またそのように大きく伸びていける企業に対して
投資を考えていくことも大事です。
長期的には銀行、損保、生保は伸びていける業種です。
現在のPERだけを考えますと投資はできませんが、
将来業績が伸びていけば一株利益が増えていきますので
PERも上がっていくようになります。
長期で投資を考えて投資をしていくことと、
短期で投資をしていくことでは投資方法も変わっていきます。
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