第613回
グローバル・グリーンテック
9月にグローバルグリーンテックの社長以下数名の方が
日本にIR(広報)活動に来ましたのでお会いしてきました。
グローバルグリーンテックからは同社社長、財務担当者ほか
合計4名、通訳1名、香港証券会社の方が2名、
日本側の出席者は私を含め業界関係者の方を入れて
5名という編成でした。
・グローバル・グリーンテック(高宝緑色、コード:0274)
企業概要
グローバルグリーンテックは
2000年12月18日に香港株式市場に上場した企業です。
パーソナルケアー製品の製造販売および
環境にやさしい工業用界面活性剤の製造販売、
化粧品・スキンケア用品の製造販売、
バイオ製品の製造販売を行なっている
化学品メーカー、ヘルスケア企業です。
同社の製品は4つに分けることができます。
1:家庭用品及びパーソナルケア製品
2:工業用界面活性剤
3:化粧品およびスキンケア製品
4:バイオテクノロジー製品ほか
1:家庭用品及びパーソナルケア製品
一般家庭でも使っている
洗剤やシャンプーに利用される界面活性剤で、
やし油や酵素を使用した無りんのものです。
この分野では
同社は最近までトップ企業といってもいいくらいでした。
最近は中国国内でも同業他社が出てきて価格も低下しており
競争激化となってきました。
もともと販売していく一個一個の商品価格は安いものです。
輸送コストなどを考えますと
原油高などで利益率が低下傾向にあります。
同社はコストの一部を製品価格を上げることで対抗してきました。
価格は引き下げずに対抗しようとしていますが、限界があり
粗利益を上げていくには難しい状況にあります。
そこで販売でも目を向けたのが
中国国内だけではなく
海外、欧州に市場を開拓するという選択肢です。
中国国内での粗利益は30%程度です。
欧米での粗利益は35%から40%が見込めます。
今後は海外に製品を輸出して利益を高めていく予定です。
ですが、大きな利益成長は望めません。
同社はこの分野では年間成長率で5〜10%程度と見込んでいます。
中国政府はりんを含んだ洗剤の生産・使用を
2005年までに大連、上海などの沿海部で全面的に禁止しました。
今後中国全土で無りん洗剤を使うことになりますので
同社にとっては追い風です。
2:工業用界面活性剤
工業用界面活性剤は個人が使うものではありませんので
用途としては多方面にわたります。
工業用洗浄剤、増粘剤、工業用洗浄剤原料、
農薬製剤用界面活性剤 アスファルト添加剤、
ゴム・プラスチック添加剤、相間移動触媒塗料や
インキ用添加剤ほかにいくらでも用途はあります。
この分野では工業製品が伸びていく限りは成長していけます。
今後の成長を見込んで広東省に
今までより3倍生産できる工場を新設しており稼動し始めました。
工業用界面活性剤に対して2004年度の営業利益は
200%増加して660万香港ドルに達しています。
<次回に続く>
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