第599回
知恵と知識
株式投資で利益を出していく最初の段階は
まず投資する企業をよく知ることから始まります。
では投資しようと決めた企業を
どのような基準で選んだのでしょうか。
株価が手持ちの資金で購入できそうだったから、
今後株価が上がっていきそうだから、
株価に割安感があったため、将来性がある企業だと思ったから
など人それぞれの考え方があって決めていくでしょう。
ですがこれだけで投資企業を決めるのはまだ早すぎます。
投資では企業に対する知識とともに知恵を使っていくことで
投資効率も上がっていきます。
株式投資でいう知恵とは
株価でもただ上がっていくのを見ていること以外に
いくらまで株価が上がったら売却していくのか、
短期投資で行っていくのか、
または何十年も投資しておける企業なのかを判断しておくことです。
また、状況が変わったのなら短期投資のつもりだった企業でも
長期投資に変更することもあるでしょう。
逆に長期で投資を行っていくつもりだった企業でも
伸びていかない企業になったなら
すぐにでも売却していく場合だってでてきます。
一見優柔不断のように思えますが、
時代の流れとともに必要とされる業種や企業でも
利益が出るようになっていったり、
そうでなくなったりする企業に変身します。
怖いのは固定観念に捕らわれすぎて
売ることや買うことが出来ずに
身動きが取れなくなっていくことです。
2000年前後に香港市場で
IT関連企業の株価が一斉に値上がりしました。
IT関連に関係のない企業まで
IT関連企業に関係するような社名に変更したことがあります。
実際は関係ないのですが、
それだけで実際に株価が上昇した時代がありました。
今冷静に考えればわかることなのですが、
株価が上がっている最中は誰だって購入していきましたので
さらに株価が上がっていくという
IT銘柄バブルになりました。
その後IT企業で利益を出すには大変なことが市場に伝わり
IT関連企業の株価は十分の一、
それ以上に下がっていきました。
この時IT関連企業に投資していたとしても
株価が下がり始めたときに
市場の空気が変わったと判断して売却すれば
大きな損金にはならなかったはずです。
<次回に続く>
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